大倉くんと女の子【緑】

新刊 ページ41

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｢クリリンーーーー！！！！！！｣


一週間停学処分を食らったAの様子を見にきて三日目。


Aはめっちゃ呑気で、今日発売日のドラゴンボールの新刊を読んでは声を上げている。


｢いや呑気すぎん？｣

｢焦ってどうすんの笑。あ、やば、ヤムチャが｣

｢毎週ジャンプで読んでるんちゃん？笑｣

｢単行本ってやっぱちゃうやん？なんか｣

｢まあそうやけど笑笑｣




学校ではAが停学になったことはまあまあ知れ渡っている。

Aのことを知っている子はやんちゃし過ぎやろ〜って笑ってたけど、俺の親友や祐介の彼女って情報しか知らん子からは怖がられていて笑ってしまった。



横でうつ伏せになって背中にとうふを座らせるAには、見ず知らずの人に怖がられるような空気なんて皆無だ。


意地の悪い女子達も、誰かがあの場面を見ていたらしく噂になり、今では肩身の狭い思いをしている。


俺は祐介と2人でざまあみろと後ろ指を指した。

目には目を歯には歯をやわ。



パシャ

｢もう〜何撮ってんねん〜笑｣


Aが停学になってから海ちゃんはちょっと元気が無くてしょぼんとしているのに、当の本人がこんなに元気なので写メを撮って送った。


事務所が連絡用にと持たせてくれた携帯は、最近やっと仕事のメールが頻繁に入ってくるようになった。


海ちゃんともメールできるし、たまにオーディションで一緒になった奴とか、特に関西ジャニーズJrの奴からメールも来るし、携帯って便利やなってつくづく感心する。


一つ不便なのはAと連絡が取れないこと。


Aの家は、お母さん一人で働いてるからあんまり裕福な家庭じゃない。


Aはお母さんにあんまりワガママ言いたくないからって携帯をねだることは無いし、無くても生きていけるわ〜ってとうふと戯れている。


まあ俺が暇なとき勝手に来たらいいだけかって納得してとうふを抱き上げた。

とうふの重みがなくなったAは隣の部屋からナップサックを持ってくる。


中から教科書を出すと真剣な顔で俺を見た。


｢勉強教えて、｣








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