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「おっしゃ逃がすぞ!」

「せーので行くで!せーので!」

「え、そんな頑張って取ったのに逃がすん?」

「だって可哀想やん!こんな飼われへんし!」

「忠義も見といて!海も!」



やっぱり俺たち2人はこのガキ大将達の思考回路を理解できない。

普通は全部持って帰ったりするんちゃん?
可哀想やったら最初からとらんかったらいいのに


海ちゃんと顔を見合わせながら以心伝心。


「「せーの!」」

2人が声を合わせて虫カゴの蓋をとる。

中に入れられて苦しそうにしていたたくさんのセミが一気に飛び立って林に帰っていった。


「大倉くん、」


ぼーっとそれを眺めていると、海ちゃんに服の裾を引っ張られる感覚。



「ん?」

「これ、あげる!」



そっと手のひらに乗せられたのは四つ葉のクローバー。

海ちゃんは1人だけ見つけてたみたいで、俺にこっそりと教えてくれた。


「いいの?」

「うん!」



俺はそれを潰さないように優しくティッシュでくるんだ。

そっとポケットの中に入れた時、2人が満足そう帰ってきてそこからは解散。


いつもみたいに俺の家までAと歩く。



「お昼食べ終わったらサッカーしようや!」

「じゃあ食べ終わったら次は俺がAん家行くわ!」

「ほんなら待ってるな!」




時計の長い針が一周して、Aの家に向かうと、もう家の前でAがリフティングの練習してる。



「1、2、3、4、あっ!」

「4回やな」

「おくら!来たんやったら言うてや!」

「今来たばっかりやって笑」

「おくらもしてみ!めっちゃむずい!」


そう言ってボールをこっちに蹴る。


俺は足でボールを上にあげるとリフティングする。


「1、2、3、4、5、6、7、あっ!」

「Aみた?!7回もできた!」


反応がなくて振り返るとAとバッチリ目が合ってその瞬間にAは笑い出した。



「何その手!」

「手って何?」

「手変になってるー!」

「嘘やん!」

「もう1回やってみ!」


笑い転げるAに言われてもう一度リフティングを始める。


「1、2、3、4、っふ、ほんまや、ふは」


そっからは2人して、今まで気づかなかった俺の変な癖に爆笑。


お腹を抱えながらリフティングの練習をした。





ダンボール→←大将



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じょび(プロフ) - tadamomopiさん» ももくらさんやろ!!!IDでわかるんやからね!私も好き!!! (2018年12月17日 8時) (レス) id: cab6392b32 (このIDを非表示/違反報告)
tadamomopi(プロフ) - すき!! (2018年12月8日 20時) (レス) id: dd33592cf0 (このIDを非表示/違反報告)
じょび(プロフ) - ゆうさん» 住野よるさんの作品素敵ですよね!嬉しいお言葉ありがとうございます!頑張ります!! (2018年8月29日 16時) (レス) id: cab6392b32 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - そうです!!!住野よるさん私も大好きです!!!これからもじょび様の作品楽しみにしております(^^) (2018年8月28日 22時) (レス) id: d221d00b99 (このIDを非表示/違反報告)
じょび(プロフ) - ゆうさん» ゆうさん!コメントありがとうございます!住野よるさんの文学作品のことでしょうか、、、それならとっても嬉しいです!あの作品、とっても大好きで何回も読み返したのを思い出します(> <)意識はしてなかったのですがとっても嬉しいです! (2018年8月28日 22時) (レス) id: cab6392b32 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:じょび | 作成日時:2018年4月8日 1時

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