事務局恋愛 (ページ3)

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「わぁわぁ
　朝から騒がしいなぁ
　何してんねん
　もうすぐ開くぞ～」

♪パンパンパンパン
は～いは～いは～いは～い♪

リズムよくそう言いながら
手を叩いて
受付に入ってきた
文くんのほうを
みんなが一斉に見る

「え？
　そんな見る？急に？」

戸惑ったように
真顔の文くん

「大げさに登場したん
　お前やろ」

なにが、はーいはーいやねん
うるっさいねん、朝から
そっちこそ準備できてんのか

ゆずるにぐいって
肩のあたりを押されて
押～す～な～やぁ、お前～って
よろめいてる

「あ、こんなんしに
　きたんちゃうかった
　稲ちゃん
　昨日聞いてる思うけど
　昼からこっち手伝いな
　やすえさん、休みやから」

看護師の資格も
薬剤師の資格も持ってる
我らのヒーロー稲ちゃんは
文くんから
看護師要請がかかり
今日はずっとあっちらしい

「さーて
　そろそろ開けますかねぇ
　みなさん今日も
　ウイルス気ぃ付けて
　よろしくお願いしますぅ～」

パンっと
ゆずるが手を叩いたのを合図に
はーいと
みんなが返事して
それぞれの持ち場に
散っていったのだった

医療法人社団秋山病院
かたっくるしい名前だけど
いってしまえば
地域の小さな老人病院だ

風邪っぽかったら
とりあえずここ行っとけみたいな
昔っからある町のお医者さん

内科、胃腸内科、循環器内科など
専門って一応
言ってはいるけど
療養病床と、建物が別で何棟か
通所リハと
グループホームを持ってる
そんな小さな病院だ

私、田辺Aは
ここの受付に入って数年
同じ受付には
同僚のゆずるとともこ

受付の裏で繋がってる
隣の薬局には
稲ちゃんともう１人
水田くんっていう同僚が勤めてる

さっきわぁわぁ言ってたのは
看護師の文くん
あ、ちなみに今日休んでる
やすえさんってのは
外来の１番えらい
看護師さんだ

で、朝から私が騒いでいた
原因といえば、、、