8人目の彼女は性別迷子∞yellow① (ページ8)

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武「着きましたよー」

「ありがとな。元気で『じゃあ、明日はここ迎えでよろしく』

武「了解です！」

「え？」

『ほれ、はよ降りてー！後ろ詰まってるよ～』

「え、あ、おん」

武「お疲れ様でしたー！」

『うん、ありがとね！タケちゃんもお疲れ！』

Aがバイバーイと手を振るのを眺めて…って、え？

「いや、Aなんで？」

『ん？』

「ん？や、ないやん？」

ふふん、と笑って俺のマンションやのに先陣切って歩いていくA。
とりあえず俺はその後ろを急いでついてった。

『やっぱ亮ちゃんとこセキュリティ最高やなぁ』

そう言いながら、Aはカード式の鍵でピッって開けてなんか嬉しそう。
そういうところがほんま一々可愛い。

「Aんとこ、セキュリティに関しては微妙やもんな。部屋はめっちゃいいのに」

『せやねん。ちょっと場所割れてきたから、はよ引っ越さなあかんのやけどいいとこなくてさぁ』

玄関で靴脱ぐのにまごついてるAを横目に上着を脱いでると、そういえばこないだこの階の人引っ越してったな…と思い出す。

「ここきたらええやん。確かこの階一部屋空いとんちゃう？」

『え！うせやん！！ほんま？』

「埋まってなかったらやけど」

『ちょ、聞いてくる！』

「え、誰…にってもうおらんやん」

パタンと玄関のドアが閉まる。
Aはちゃっかりカードキーも持って出てったらしく、ここで待ってる必要はない。

「抜かりないな」

俺は思わずくすっと笑いながらリビングに向かった。