8人目の彼女は性別迷子∞yellow① (ページ38)

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石「じゃあ飲み過ぎないでくださいね！」

「ノンアルにしとく！ありがとな」

イッシーに送ってもらって店の中へ。
いつもの席がたまたま空いてたからそこに通してもらう。
顔馴染みの店員のテツさんが、おしぼりを俺に渡した。

テ「Aさんですか？」

「せやねん。わかる？」

テ「そりゃね、亮さんわかりやすいっすよ、意外と」

「そっかなぁ？」

思わずニヤつく俺。
それを隠そうと口元に手を持っていく。

テ「それっすよ、それ！」

しばらくテツさんと話してると、コツコツと足音が聞こえてくる。
この音、Aやないなぁって思ってたら、まさかのAがひょこっと顔を覗かせた。

『ごめん！遅なった？！』

「大丈夫やで…って、え？」

思わず数回瞬きする。
髪が長くなってるし、いつもよりちゃんとしたメイクしとるし…

「めっちゃ可愛なってるやん！とりあえず入っといで」

『お邪魔します。テツさんこんばんは』

入ってきたAを見て更にドキドキする。
今まで見たことないほんまに、女子って感じのAで…

テ「ヤバイっすわ…最初Aさんってわかんなかったっすもん」

「テツさんあかんで、惚れたら」

テ「わかってますって！嫁さん怖いから！！」

3人ではははっと笑う。
Aも席についたのを見て、とりあえず飲み物を注文。

「俺ウーロンで」

『ん、わたしも』

「飲んだらええのに」

『亮ちゃん飲まれへんのにわたしだけ何かイヤやもん』

テ「優しいっすね！じゃあ持ってきます」

テツさんがそう言って出て行く。