8人目の彼女は性別迷子∞yellow① (ページ33)

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斎「居てもたってもいれなくて、これを言いたくて呼び止めました。」

潔くいう斎藤さんに、思わず吹き出す。

『ふは！斎藤さんっておもろいですね！！』

斎「あー、やばいっすわ、その笑顔。あの、ひとつだけ…」

『ん？』

斎「その斎藤さんって言われると、“あっちの” 斎藤さんが浮かぶんで、よければ…」

『ああ！じゃあ工…さん？』

斎「ーーーっ、それで！…あわよくばですけど、LIMEとか…」

『もちろん！2人主演やし、工さんにいっぱい相談乗ってもらわなきゃですもん！あと、工さんのが年上やので…その、喋り方とか…』

斎「え、いいんですか？」

『いやいや、むしろお願いします！』

斎「うわー、すげー嬉しい…」

『よし、読み込めた！送りますね！』

工さんのトークルームをタップして、いつも使ってる猫のスタンプを送る。

斎「きた！…この猫、Aさんに似てるね」

『そうですか？こんな可愛くないですよ？』

そんなこと話してると目的の階に着く。

斎「LIMEありがとう」

『いえ、こちらこそ！これからよろしくお願いします！！』

ペコっと頭を下げてエレベーターを降りる。
ロータリーに車がついてるのを見つけ、そっちに向かった。

『タケちゃんごめんね！』

武「なんだったんですか？」

『あ、工さん“ファンでした”って話をしにきてくれてん！ほんでこれから連絡必要になるしLIMEを交換してきたところ』

そういうと、タケちゃんの眉がピクッと動く。

武「…そうなんですね」

『？うん』

武「Aさん、気をつけてくださいね？」

『んん？気をつけるの？』

武「斎藤工さん、共演者…特に女性には、個別で自分から声をかけない人って有名なんですよ」

タケちゃんのその言葉を聞いてもあんまり、ピンとこなくて、ふーん、とだけ返事しといた。