8人目の彼女は性別迷子∞yellow① (ページ22)

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亮ちゃんのマンションを後にし、車でタケちゃんに報告すると嬉しそうにくしゃっと笑って「おめでとうございます！」って言ってくれた。
そしてその後

武「実は心配してたんですよ、Aさん全然彼氏作らないから大丈夫なのかって…」

としみじみ言いながら

武「お相手は錦戸さんと聞いて僕、安心しました。何よりずっとAさんを見ててくださってた方だし！！」

鼻歌なんかも混じっちゃいそうな喜びようで、思わず亮ちゃんと顔を見合わせて笑った。

「あ、そうや！タケちゃん、とりあえずこれは他のみんなには内緒にしといて欲しいんやけどいい？」

『内緒？』

武「え？内緒なんですか？」

タケちゃんとバックミラー越しに目を合わせ一緒に “？” を浮かべる。

「その方がAにはええやろ。やって昨日の今日やん？」

確かに。
みんなと色々あった昨日からの、コレ。
ちゃんと考えてくれてる亮ちゃんに心が掴まれるわたし。

『優しさ…！気遣いのできる男やなぁ…』

「惚れるやろ？」

『～～～～っ』

顔を覗き込みそんなこと言われて、声にならないわたしはギュッとハグ。

『うん、めちゃくちゃ！』

武「朝からご馳走さまでーす」

タケちゃんの呆れる声を聞き流して、昨日あったことを思い出しながら少しだけ考える。

正味こんな感じで付き合っていいんかなぁ…って思ってたけど、むしろ付き合ってよかったなぁって

まだ1日も経ってないのに、なんかもう、今まで感じてきたことのない感情が、心から体にじわじわーっと染み渡ってきてて、あぁ、好かれるってこんな感じなんやなぁ…とか、相手のことを好きになっていくってこういうことなのかなぁ…とか(わたしが恋愛赤ちゃんやからかもやけど)思いはじめてきてる。

というかわたしって、もしかしてちょろいやつ？

そんなこと考えて一人悶々としてると
キュッと手を握られて、思わず亮ちゃんを見た。

『ん？』

「…あのさ」

『うん？』

「付き合うきっかけはどうであれ、Aは俺の彼女やからな。俺の精一杯、大事にさせてな。」

真剣な表情の亮ちゃんが言ったその言葉に、また嬉しくなる。

好きって感情がまた積もった気が。

うん、わたしってちょろい。