8人目の彼女は性別迷子∞yellow① (ページ14)

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ドライヤー1 ページ14

Aside

「ほんま美味いなぁ。この味付け好きやー」

『亮ちゃん好みの味付けにしよるもん』

「さすがA」

ニコニコ笑顔でわたしを見る亮ちゃん。
先程、この人わたしの彼氏になりまして、内心ドキドキしながらご飯食べてます。

ブブブブ…
ポケットに入れてたスマホが鳴る。
出してみると、タケちゃんからのLIMEやった。
タケちゃんの名前を見て思い出す。

『あ、そういや亮ちゃん、なんで元気なかったん？』

「あー…そりゃ元気もなくなるやろ」

『ん？』

「潤くんの件」

『……あ！』

「え？忘れてたん？」

『ガッツリ。そやね、その話あったなぁ。』

亮ちゃんは話聞きたいけど…って顔してる。

『寝る時話聞いてくれる？聞きたくなかったらアレやけど…』

「聞く。知りたい。」

『うん、わかった』

ご飯食べ終えて、亮ちゃんがキッチンで片してくれてる間にお風呂に入る。

『お風呂と寝室は綺麗やのになぁ…なして、部屋は…』

そう不思議に思いながら亮ちゃんから借りた部屋着を着る。
シャツに頭を通したら、亮ちゃんの匂いに一瞬で包まれて、思わずさっき抱きしめられたのを思い出した。
カァッと顔が熱くなったのに気づいてパタパタと手であおぎながら洗面所をあとに。

『上がったよー』

そう声をかけると、キッチンからひょいっと顔を覗かせる亮ちゃん。

「あ、飲みたいのんあったら冷蔵庫からとって飲んで…って、顔赤いやん。逆上せた？」

『え！いや、ちょっと…なんも？！』

「ふはっ、へんやの」

くしゃっと笑う亮ちゃんが、なんか可愛くてキュンとなる。

「よっしゃ、終わったから俺も入ってくるわ！」

亮ちゃんはわたしの頭をポンポンしてその場をあとに…と思ったら、ドライヤー持って戻ってきてくれた。

「風邪引いたらあかんから乾かさなあかんよ」

『ありがと』

優しいなぁ。
そんなこと思いながらリビングへ向かった。