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川上side
散々呑みまくって気づけば深夜の2時。終電ももう無い時間になってしまった。
Aを送り返さないと。ソファでゴロゴロしながらテレビを見ているAの手を引っ張って起こす。
『はい。もう遅いから帰らんとあかんやろ。明日の予定は?』
自分でもわかっているのだが僕は少々こいつの面倒を見がちな気がする。まあ見ていないと心配というのもあるのだが。
A「2限からだった気がする…」
『はいはい。送るから帰って寝ろ。』
カバンを持たせて立たせる。若干酔いが覚めたAはもう普通に歩けるような状態だった。
終電もないのでAの家まで歩いていく。Aの家と僕の家は一駅ほどの距離なので普通に歩いて行ける距離だ。
A「うわっここの道暗いな。」
『せやな。送って行って正解やわ。』
A「別に大丈夫やのに。」
『A体弱いし途中で倒れられたら困るから。』
Aは体が弱い。小学校の時などしょっちゅう学校を休んでいてその度にプリントを届けに行った記憶がある。確か知り合ったのもそこからだったような。
その割には酒をとても飲むのだから毎回ハラハラしながら見ている。
『じゃ、また。』
A「ありがと。」
ぶんぶんと手を振る彼女に早く寝ろよ、と告げ、自分も家へ戻った。
近況報告会もできたし、久しぶりにお互い気を張らずに飲めたのでよかった。
部屋を片付け、風呂に入った後、スマホを見るとAからLINEが来ていた。
「今日はありがと。久しぶりでめちゃくちゃ楽しかった。」
またやろうという旨の返信をし、スマホをスリープさせる。
『そういうところ、律儀よなぁ。意外と。』
小さく呟いた言葉は、誰かの耳に届くことなく消えた。
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エリ(プロフ) - きららさん» ありがとうございます!生き甲斐だなんて宜しくないですよ( ˇωˇ )これからも頑張ります、ありがとうございます! (2019年7月22日 18時) (レス) id: 289df29eb3 (このIDを非表示/違反報告)
きらら - もう、生き甲斐になってます(*´∀`)♪ (2019年7月21日 20時) (レス) id: 74e44844cb (このIDを非表示/違反報告)
きらら - いつも面白いお話を書いてくださることに感謝しかございません!これからもエリさんのペースで更新頑張ってください!毎日更新楽しみにしてます! (2019年7月21日 20時) (レス) id: 74e44844cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:エリ | 作成日時:2019年7月13日 21時