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水上さんはあんまり動画にも出ているイメージはなくて、もっと自分の勉強やテレビ撮影の方に重きを置いている人だと思っていた。
水上「入った直後は僕も毎日通い詰めていたよ。学べることも多いし、慣れたいからさ。」
確かに水上さんの言うことは理にかなっている。新しい環境に慣れるにはまず自分からアクションを起こさないといけないって言うもんね。
『じゃあ…行きましょう。水上さんは予定とかないんですか?』
水上「大丈夫。暇だからこうして誘ってるんだよ?」
水上さんは笑顔で答えたあと、待ってて、と言って私の分も食器を返してくださった。
『ありがとうございます。』
水上「姫の手を煩わせる訳にはいかないからね?」
『なっ……でも水上さんもプリンスじゃないですか?』
水上「レディーファーストということで。」
さらっと姫呼ばわりされた上にはぐらかされた…納得出来ない…
不満そうな目で見る私をさらっと受け流し、水上さんは行きましょうか、姫。と手を差し出してきた。昨日は言わないって言ってたのに!
そっちがその気ならば。
『ええ、ありがとう。感謝するわ。』
私の中にある姫のイメージに最大限近づけて答え、差し出された手をとる。
水上さんが一瞬驚いたような顔をして、それからにやりと笑う。
水上「上手いね?」
『これでも中高と演劇をやってたんです。』
それから水上さんは諦めたような表情をした。
水上「ちぇっ、Aちゃんの方が一枚上手だったか。」
これでどうだ。中高で演劇をやってきたのは事実だし、それなりに演じれた自信がある。自信ありげに笑う私を見て、水上さんはけらけら笑って、じゃあ行こうか、と歩き出した。
私もそれに遅れないようについて行く。
突き刺さる日差しの中、私達はオフィスへの歩みを進めた。
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エリ(プロフ) - きららさん» ありがとうございます!生き甲斐だなんて宜しくないですよ( ˇωˇ )これからも頑張ります、ありがとうございます! (2019年7月22日 18時) (レス) id: 289df29eb3 (このIDを非表示/違反報告)
きらら - もう、生き甲斐になってます(*´∀`)♪ (2019年7月21日 20時) (レス) id: 74e44844cb (このIDを非表示/違反報告)
きらら - いつも面白いお話を書いてくださることに感謝しかございません!これからもエリさんのペースで更新頑張ってください!毎日更新楽しみにしてます! (2019年7月21日 20時) (レス) id: 74e44844cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:エリ | 作成日時:2019年7月13日 21時