貴様らとっくに両想いだからな！？[２]【天祥院英智】 (ページ29)

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－You Side－

「ちょっとジュンくん！さっきぼく“しー”ってしたよね！？

頷いたくせに先にバラしちゃうなんて極悪すぎるねっ！！」

「“極悪”って……。頷いたのはおひいさんの見間違いです。
それに、オレはアンタの悪戯心よりAさんの安全を優先しますからねぇ？」

訳が分からず孤立していると、頭の上に顎。首には腕。
日和にまるで自分のモノのようにホールドされる。

『ちょっと日和……普通に重いんだけど』

「ジュンくんとAちゃんが仲良しなのは良いことだけど、ぼくにももっと構ってほしいね……」

ぐりぐりと日和の顎が自分のつむじに突き刺さる。重さに痛みまでプラスされてしまった。
首に巻き付く腕の力も強まって、軽く拷問なのではと思い始めてしまう。

「言っときますけど、Aさんと初めて会ったのはオレが先なんです。
おひいさんより仲が良いのは当然ですよぉ？」

「むきーっ！どっちが先か後かなんて関係ないね！
Aちゃんとまた会えたのはいい日和だけど、これはわるい日和っ！」

ジュンの言い方もあるけれど、己がまいた種によってすっかり不機嫌になってしまった日和。

拷問も更に増してるけど、もしかしてジュンは意図的にやってるのかな？？

『あんまり意地悪しないであげてよ、ジュン……。
日和って泣くとめんど……じゃない、慰めるの大変なんだからさぁ？』

「……アンタはおひいさんに甘すぎますって。

責任持って、泣き虫なお姫様を慰めるのはお願いしますよぉ？」

『責任はそっちでしょ……』

投げやりな発言にため息をつきながらも、日和のホールドから何とか脱出して顔と顔を向き合わせる。
泣いたら面倒とか言いかけたけども、既に瞳からは大粒の涙がこぼれていた。

『日和、』

「…………なぁに？」

人より100倍も傷つきやすくて、寂しいことが何より嫌いな日和。

あの日、ひょんなことからジュンや、日和に出会った。
必然的に、完璧に特待生じゃない生徒を裏切るような形になってしまったけれど。

光のもとへ連れ出してくれた2人は、私にとっての太陽だった。

もちろん今も、これからも。

『私、日和のこともジュンのことも、本当に大切だと思ってる』

『だから、日和が悲しんでるところは見たくないな』

『私は、太陽みたいにきらきら笑ってる日和がだいすき、』

プロデューサーは、アイドルを守り、導くもの。

アイドルは、人々に夢を届けるもの。

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