貴様らとっくに両想いだからな！？[２]【天祥院英智】 (ページ12)

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－You Side－

「こんばんは、朱桜くんに……Aちゃん！

珍しい組み合わせですね～♪」

そのまま室内に入っていくと、並ぶ本棚からひょこっと顔を出したつむぎくん。
私たちを見つけた途端、心から嬉しそうに柔らかな笑みがつくられる。

本人はどうやら、本整理をしているみたいだった。

「完全下校時刻も近いですからね。
Answerをお教えするのは帰り道に致しましょうか」

そう言うと、「事前に借りたい本は決まっておられるのですか？」と問い始める朱桜くん。
首を左右に振り、私は口を開く。

『決まってないよ。
……良かったら、朱桜くんのオススメの本とかあれば教えてほしいな』

彼の言う通り、完全下校時刻が直ぐなのもある。残念だけれど、何を借りるかなんて真剣に悩む時間もない。

けれどそれ以前に、朱桜くんが普段どんな本を読むのかについて興味があった。
これを機に、親睦を深められたらなぁ……なんて。我ながらナイスタイミング。

「……！
っはい、お任せください！直ちに見繕ってきますので、その場でお待ちくださいね！」

少々驚きながらも、紳士らしく自身の胸に手を当てる彼。
やはり、コロコロ変わる表情に愛しさを覚えてしまって仕方ない。

真剣に本を探す朱桜くんをそのまま目で追っていれば、一通り本整理を終えたらしいつむぎくんがこちらにやってきた。

「ふふ。随分と仲良しなんですね～？見ていて微笑ましくなっちゃいます♪」

『“仲良し”って言っても、ついさっき漸く真面目に話したばっかだけどね』

「でも、朱桜くんにとってAちゃんは親しみやすい存在だったってことですよ」

『どうかなぁ……まぁ、そうだと嬉しいけど』

俺も、Aちゃんと朱桜くんが仲良しだと嬉しいです～♪
そう言って、まるで自分の幸せのように、満面の笑みを見せるつむぎくん。

変な人だなぁ……ほんとに。もちろん、いい意味でだけれど。

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