探偵学園QSP

＃29 ページ30

☆
　その時

A
「…盗み聞き?」

　Aがリュウの背後に

リュウ
「…A」

A
「…珍しいわね。流がそんなことするなんて」

　やはりこの2人は知り合いなのだろうか

リュウ
「…別に。たまたまだ」

A
「…そう?私は初めて見たけど?」

リュウ
「……」

A
「…幼馴染なのに」

　そうか。この2人は幼馴染なのか

　納得だ

リュウ
「…何しに来た」

A
「別に…お礼を言いに来ただけよ。洞窟の時は…ありがとう」

リュウ
「別に…」

　この2人、なんだかそっくりだ

　一緒にいると似るものなのか?

リュウ
「それより…大丈夫か?」

A
「…何が」

リュウ
「夕食の時…」

　リュウが言っているのはおそらく数馬が言葉のことだろう

A
「…いつものことよ。今更…別に気にしてない」

リュウ
「……」

A
「同じようなこと何度も言われてるのに…いつも気にしてたらもたないわ」

　今のAの言い方では気にしないようにしている

　気にしないように頑張っていると言うような…

リュウ
「…いつもそうだよな。なるべく人に弱さを見せないようにしている」

A
「…それは流。あなたもでしょ?」

リュウ
「……」

　リュウは何も言わない。いや、何も言えない

A
「なんだか…嫌な予感がする」

リュウ
「…え?」

A
「よくわからないけど…嫌な予感」

リュウ
「…A」

A
「なにも…起らないといいけど」

　この時はAもリュウも思っていなかった

　Aの嫌な予感が当たるなんて

＃30→←＃28

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す