やめてください江口さん。 2

＊81 SOS ページ34

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西山「ちょちょちょ、飛び蹴りはやばいって梅ちゃん！！」


梅原「うるせぇ止めんな西山、こいつ殺す」


西山「ステイステイそれはダメ！！」


花江「いけいけやっちゃえ梅ちゃん」


西山「煽んないでくれる！？」




え……何が起きて………



スローモーションで飛んで行った慎也くんの前に立ってるのは、今にも殺しにかかりそうなくらい怒ってる梅ちゃんと、それを必死に止める宏太朗、そしてなっちゃん。


その後ろからバタバタと何人かの足音が聞こえてきた。



斉藤「はぁ、はぁ……やっぱりこいつか」

木村「A！平気か！？」

『壮馬……良平さんまで……なんで…』

木村「お前なぁ！SOS送るならもっと分かりやすく送れバカ！！」


「おかげで探すのすげー大変だったわ！！」と私の目の前にスマホの画面を突きつける良平さん。



あ……私がさっき送った位置情報……



斉藤「特定の何人かに一斉送信されて、範囲広かったから何人かで協力して探してたんだよ」

木村「俺、A見つかったってみんなに連絡してくるわ」



そう言って私から離れて行く良平さんを目で追うと、その先に立っている人物にドクンと心臓が跳ねる。



『江口さん……』

斉藤「待って、今はダメ。たぶん……ていうか、結構気が立ってると思うから」


「僕らより早くここに来て、カフェに居なかったからショッピングモール中探し回ってたんだよ」と壮馬が教えてくれる。


そんな江口さんは、ここからでも分かるくらい怒った……というか、言葉で表せないくらい冷たく恐ろしいオーラを放っていて……



すごく、怖い。



木村「……やりすぎんなよ」

江口「………わかってます」



そんな江口さんの肩を良平さんがポン、と叩くと、良平さんは電話をかけ始め、そして江口さんはゆっくりこっちに………慎也くんに近づく。



慎也「な、なんなんだよお前ら！声優なんだろ！？暴力ふるったことがバレたら……」

花江「しーっかり撮ってるから。アンタがAちゃんに乱暴してるとこ」

慎也「ッ……そもそも、その女が悪いんだろ！！その気もねぇくせに俺と付き合いやがって！！」

梅原「ああ”？」

『っ……』

慎也「この俺を拒絶しやがって！お前なんか一生幸せになれね、」


江口「黙れよクソ野郎」



低く、冷たい声に空気がビリビリと震える。


江口さんの威圧に押されて、ゴクッ…と慎也くんが生唾を飲み込んだ。




こんなに怒ってる江口さん、


見たことない。




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