やめてください江口さん。 2

＊78 なんで ページ31

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『ごめんね、お仕事忙しいのに』


慎也「ううん、俺はAと話せるだけで嬉しいよ」




爽やかに微笑みながらコーヒーを飲む慎也くんはこのオシャレなカフェに似合っていて、とても絵になってる。


私としては早くスマホのことについて調べてほしいんだけど、せっかくだからと慎也くんが注文してくれたスイーツと紅茶を嗜む。


頼み事をしている身だし、急かすのも悪いし……



慎也「…Aさ、本当に綺麗になったよね」


『またまた、そんなことないよ』


慎也「本当だよ。高校の時も可愛かったけど、今は大人の女性って感じで、もっと魅力的になった」



コーヒーを置いて私を下から上へ舐めるように見る慎也くんの視線にゾワッとした感覚が走る。




なんか、



一瞬嫌な感じが………




そんな私の様子を読み取ったのか、ニコッといつもの爽やかな慎也くんに戻り、カバンから難しそうな資料を取り出す。




慎也「ひと息つけたし、そろそろ本題に入ろうか」


『あ、ちょっと待ってね、今スマホを……』




……………あれ？




カバンの中に入れたはずのスマホが見当たらず、ゴソゴソ探すけど出てこない。




『ご、ごめん……スマホ落としちゃったのかな』


慎也「大丈夫？着信鳴らしてみようか？」


『ごめん、お願いします』




「うん、ちょっと待ってね」と慎也くんが自分の携帯を取り出して操作する。



お仕事が忙しいのに相談にのってもらって、スイーツとお茶もご馳走になっちゃってるのに………



肝心のスマホの場所が分からないなんて、ポンコツすぎるよ私……！



うぅぅ…と心の中で唸っていると、カバンの内ポケットの中から着信が聞こえる。




『あっ……あった！』


慎也「見つかった？」


『うん！ありがとう慎也くん』



「なら良かった」と微笑んでくれる慎也くんに笑い返して、スマホの画面を開く。



あれ？



江口さんから不在着信とLINEすごい来てる……




どうしたんだろう……




電話かけ直してみよう、と履歴をタップすると、1番新しい履歴で非通知設定の着信が表示されていた。




時間、今さっきだ。



なんで？



今電話かけてくれたのは慎也くんしか………





………………ていうか、そもそも……







『………しんや、くん』


慎也「うん？どうかした？」


『あの…………………









……________なんで私の電話番号知ってるの？』




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