やめてください江口さん。 2

＊68 落ち着く ページ21

*


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『梅ちゃん！あんなの先輩に失礼だよ！』

梅原「はいはい」

『ていうかなんでいるの！？いつから！？』

梅原「Aがサラダムシャクシャ食べてるあたり」

『序盤！！』



「てか帽子被れよバレるだろ」と自分の帽子をボスッと乱暴に被せられる。


いや、顔が良いあなたの方がバレると思うんですが……


すると、後ろからバタバタと足音が聞こえてきた。



斉藤「ちょっと、置いてかないでよ」

花江「は、速すぎ……」


『壮馬となっちゃん！？なんで！？』




それに………………




『江口さんまで………』

江口「………A」

『あの、違うんです、やましい事とか何も無くて……っわ』



誤解されてたら嫌だと思って必死に理由を説明しようとすると、ギューっと抱きしめられた。


他の3人が「げ…」と嫌そうな顔をする。



江口「あーもー良かったぁー！！心臓ヒヤヒヤした！！」

『ちょ……あの…怒ってないんですか？』

江口「怒るわけないじゃん、全部聞いてたし」



「てかさシンヤクンしつこすぎない！？」とプンスカしてる江口さんを見てると、なんだかさっきまでの緊張がスーッと抜けていく感じがする。


やっぱり、この人と一緒にいると落ち着くなぁ…



梅原「てか、さっきの何」

『さっきのって？』

梅原「お前の猫かぶりだよ。どこが落ち着いてて女の子らしいんだよ」

『うっ……』

梅原「俺あんなだったって聞いてないけど？」


彼氏の江口さんより、梅ちゃんの方がお怒りのようで………

だって梅ちゃん人の恋愛に興味ないじゃん…



『いや、あのね…………慎也くんの前では女の子らしくしなきゃって強制的に思ってしまうんだよね』

江口「無理でしょAが女の子らしくなんて」

『ンンンむかつくけどほんとにその通り』

花江「結構無理してるように見えたよ？Aちゃん」



たしかに無理してた。


慎也くんに告白されて、当時の私は恋愛なんてものがよく分からないくせにその告白を受けてしまったから…………


できるだけその人の理想でいようって務めたんだけど…………



『ダメだったみたい』

梅原「そもそもAの顔とのギャップについて来れないだろ」

江口「そりゃあんな猫かぶりしてたらね。本当の中身知った瞬間ショックでぶっ倒れるかも」

『あなたたち2人には言われたくない』

花江「まぁでも、梅ちゃんがバシッと決めてくれたから大丈夫でしょ！梅ちゃんがね！」

江口「そこ強調しなくてよくない？」


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