私のキョウダイ2 (ページ7)

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道路の反対側で同じ制服を着た学校の生徒が歩いている。

何故かふと、海人を思い出した。

教室で聞くのは誰かと話すいつもの海人の声。

優しく私の名前を呼ぶ声も好きの言葉も

今となっては聞くことは出来ないけれど

たまに、ほんとごく稀に

普通に会話がしたいと思う時がある。

きちんとお別れしたはずなのにギクシャクしていて

別れてから二人で話したことは一度もない。

未練があるわけじゃないけど

普通に接してほしい願望は捨てられずにいた。

「なあA、今日TVで映画やるやんか。

あれ一緒に観いひん？」

重さに慣れてきた廉は荷物を揺らしながら口にする。

「恋愛ものだよね」

「ええやん。あれ観れへんかったんよな～。

中学の頃好きやった子と観る予定やったのにさ、

その子急に熱出してもーて。

一人で観るわけにもいかへんから諦めた思い出の映画」

「それを私と一緒に観るってどんな心境」

「不思議やわ」

口角を上げて微笑む廉は嬉しそうに言った。

「 Aがその子に思える」

「そう思える廉のほうが不思議」

「文句言わんで一緒に観よな。リビング暗くして」

「雰囲気作りも欠かさないタイプ？」

「もちろん。楽しみ～」

私も観たことがない作品だったので

この機会に楽しもうと思いながら家路を歩いた。

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