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ベッドの上に座る私と椅子に座る廉。
両親が旅行に行ってから、入浴後からの時間は
リビングではなくどちらかの部屋で過ごすようになった。
学校での出来事もあり、話をせずにはいられなくて
今回は私の部屋に廉を呼んだ。
「 …ごめんな、海人おったのに悪戯して 」
申し訳なさそうに謝罪の言葉を口にするものの、
左右に椅子をくるっくるっと動かして
あまり落ち着きがない廉。
「 言っちゃうのかと思った、キョウダイってこと 」
「 Aの何なの？って言われた時やろ？
言いそうになったんやけど周りに人もおったし
ほんまに言ったら海人もおかしなると思ってやめた 」
「 そっか〜、でも一つ言うならば海人が遠慮せず
私の椅子を奪ったのが原因のような気もするよね 」
決して海人を否定してるわけではない。
よく考えれば事の発端は、という感じ。
「 確かに。ほぼ座っとらんかったもんな 」
「 変な体勢になっちゃうのも無理はなかった。
それに廉の太腿が無かったら顔面強打してたかも。
ありがとう、太腿 」
「 俺的にはほんまに恥ずかしかったけどな〜、
急に女子が太腿に顔面ぶつけるハプニング。
あれ絶対激レアやわ。貴重な体験ありがと 」
お互い感謝の気持ちを述べてるから何でもいいか。
なんてそんな簡単に考えちゃいけないんだろうけど。
「 にしても海人はほんまにAのこと好きやねんな 」
「 廉に嫉妬するくらい好きみたい 」
「 幸せもんやなあ 」
言いながら私を寂しそうに見て口をギュッと結んだ。
何か気持ちを隠しているようにも見えたけど
突然吹いた風で心のどこかに沈んでいった。
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作者名：いと | 作成日時：2020年10月27日 17時
