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今日最後の授業は窓の外を見ながら受けていた。
満腹と暖房の副作用である睡魔が降りてこないように
必死に気を紛らわす作戦だ。
パラついていた雪は時間が進むにつれて粒が大きくなり
あと5分でチャイムが鳴る時点では
中庭の地面には薄ら白く雪が積もっていた。
今朝はパラついていた程度だったし
隣で頬杖つく廉に何故か急かされたこともあって
生憎傘を持ってきていない。
時間に囚われず真剣に先生の話を聞く海人は
傘を持ってきているのだろうか。
まあ、仮に持ってきていたとしても
雪だ〜！なんてはしゃぎながら帰りそうだけど。
念願の放課後
「 A〜帰ろ〜 」
すぐにやってきた海人は窓の外を見ながら
「 積もったねえ 」とおじいちゃんみたいなことを言う。
「 傘持ってきてないんだけど海人は持ってきた？ 」
「 それが持ってこなかったんだよな〜。
どうする？誰かのパクってく？ 」
「 さすがにそれは嫌だよ怒られる(笑) 」
「 じゃあ学校に泊まっていこっか 」
壁に設置された暖房に足元をくっつけて
そんなこと言うから冗談で「 いいよ 」なんて答えると
「 楽しみだな〜Aとお泊まり 」
えへへ、と笑いながら手で口元を隠した。
私の家…は廉がいるからダメだけど
暖かくなったら旅行とか行けたらいいなって
ふにゃふにゃした笑顔を見て未来を描いた。
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作者名：いと | 作成日時：2020年10月27日 17時
