私のキョウダイ2 (ページ22)

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昼休み

寒い廊下を歩いて職員室の前にあるコピー機へ。

探しても見当たらないワークの答えを友達から借りて

わざわざお金を出して印刷しにやってきた。

ワークの中に答えを挟んでるので

行方不明になるなんて正直あり得ない。

必要な面を印刷し終えて暖かい教室へ戻ろうと

職員室の横を歩いている時だった。

「 …A先輩」

背後から女の子に呼びかけられた。

振り向くとそこには海人の後輩が立っていた。

私の名前を知ってるみたいだけど彼女の名前は知らない。

手に持っていた答えと印刷した用紙をギュッと抱えて

小さく返事をしてみる。

「廉先輩と二股してたんじゃないんですか？」

職員室の前であることを知らないのか

だいぶ大きめの音量でやばい質問をしてきた。

「し、してないしてない！もう少しこっちで話そ！」

手招きする私についてくる後輩。

離れた場所で立ち止まるとすぐ彼女は話し出した。

「海人先輩めっちゃ怒ってましたよ。

絶対二股してる、俺は軽い存在だったんだって。

廉先輩とA先輩がちゃんと付き合えるように

別れたようなもんですよ、海人先輩は。

それなのにいつの間にか復縁してる。

一体どういうことですか？結局どっちが好きなんですか？」

口を止めることなくベラベラと言いたいことを言って

最後に質問でとどめを刺す彼女の眼力は強い。

「まず私と廉はただの友達だよ。

別れたのは私が勘違いさせる行動しちゃってたからで

海人のことは変わらず好き」

「じゃあもう海人先輩を困らせるようなこと、

軽率な行動はしないでください」

「は、はい…ねえ後輩ちゃん」

「何ですか？」

名前を知らないから咄嗟に後輩ちゃん呼びしてしまった。

気にすることなく話の続きを待っている。

「本当は廉じゃなくて海人のこと好きなの？」

「 …用事を思い出しました。失礼します」

頬を赤く染めて寒い廊下を駆け抜けて行く。

いつの日か廉が予想した考えと一致した。

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