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Aが起きると太宰の姿はなかった。
無造作に捨てられた蒲団には温もりが残っており、その熱でもう一度寝れてしまいそうだ。
久し振りゆっくりとした睡眠時間が取れたのでその時間のゆとりについついと甘えてしまう。
うとうとと目を開けたり、閉じたりの繰り返しをしていると太宰が隣室から出てきた。
顔を洗ってきたのか、首にタオルを巻いている。
髪から滴り落ちる水の粒がなんとも云えない、色気を放っている。
年頃の女はこういう仕草に心を揺らがすのであろうが、彼女はどうも違う。鈍感、…?
「A、お早う。」
重たい瞼を上げて、掴んでいた枕を一層ぎゅっと握りしめてAは答えた。
『お早うございます、仕事ですか?』
「うん、そうだよ。少し行ってくるね」
今日は3日目。
約束の日だ。今日のどの時間帯に出て行こうが彼女の自由だ。
出ていかなくても勿論いいわけである。彼女は多分そんなこと、眼中になど入ってはいない。
太宰を見送った後、如何するにしても彼女の自由。
綺麗に立ち去りたい、彼女の唯一の願いである。
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時雨(プロフ) - ネムさん» そう言っていただけてめっちゃめちゃ嬉しいです!!!!!!!!!!!このコメントで私もニコニコしちゃいました。嬉しさいっぱいです、こんなに長いのに読了してくださりありがとうございました! (8月6日 2時) (レス) id: b6f643f10a (このIDを非表示/違反報告)
ネム(プロフ) - あぁもう…だめだ。なんか言葉に詰まってしまいます。完結ありがとうございます。最高でした。 (8月1日 1時) (レス) @page41 id: 41eadc19f5 (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - ピポポタマスさん» 遅くなって御免なさい。本作中にとても書けず、おまけという形で書かせて頂きました。甘くねぇな…コーヒーシュガーにもなりきれてません…本当にすいません。書き直しならいつでも致します。(双黒なのに太宰さんしか使っていない…ああああ!!) (2018年3月7日 22時) (レス) id: 23b0d452e1 (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - きなこもちさん» 有難うございます!満足頂けましたか?とてもの三連続…w次回の作品もいずれ書きますのでその時はよろしくお願いします! (2018年3月4日 19時) (レス) id: 23b0d452e1 (このIDを非表示/違反報告)
きなこもち(プロフ) - 完結おめでとうございます!とてもとてもとても面白かった…!お疲れ様でした(*´∀`*) (2018年3月4日 19時) (レス) id: 48ae29e69a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:時雨 | 作者ホームページ:
作成日時:2018年2月14日 12時