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『そ、そうですか。…では、何か欲しい物など有りますか?何なりと仰って下さい。』
「A」
太宰は悩む隙も無いほどに返答を述べた。
太宰は何一つ悩まなかったが、Aの悩みはどんどん濃く、深くなってゆく一方だった。
自分が欲しい…?
『…私は物では有りません。』
「…そうだねェ。まぁいつか気づけばいいな。」
不敵な笑みはAを思考回路のどん底まで叩き込んだ。
そんな彼女を彼は見て楽しむと同時に寂しさも感じていた。
あとどのくらい此の娘がこの様な純情な姿で居られるだろうか。
この様な表情で自分の前に現れてくれるだろうか血で汚れず真っ白なままで。
以前所属していたので理解しているが、争いや死人の絶えないあの仕事場で、誰にでも命が消え失せる可能性は大いにある。
幾ら強くても相手はコンマ数秒の間に漬け込み、刃をこちらに向けているのだ。
そんな中彼女はどうだろうか、はっきり云って戦闘能力は中堅以下だろう。出来ることといえば暗殺だ。
頭の良さと異能の使い勝手の良さでここまで上り詰めた彼女は恐らく若くして命を絶つのでは。
皮肉ながら太宰は愛する妹についてこう考えていた。
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時雨(プロフ) - ネムさん» そう言っていただけてめっちゃめちゃ嬉しいです!!!!!!!!!!!このコメントで私もニコニコしちゃいました。嬉しさいっぱいです、こんなに長いのに読了してくださりありがとうございました! (8月6日 2時) (レス) id: b6f643f10a (このIDを非表示/違反報告)
ネム(プロフ) - あぁもう…だめだ。なんか言葉に詰まってしまいます。完結ありがとうございます。最高でした。 (8月1日 1時) (レス) @page41 id: 41eadc19f5 (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - ピポポタマスさん» 遅くなって御免なさい。本作中にとても書けず、おまけという形で書かせて頂きました。甘くねぇな…コーヒーシュガーにもなりきれてません…本当にすいません。書き直しならいつでも致します。(双黒なのに太宰さんしか使っていない…ああああ!!) (2018年3月7日 22時) (レス) id: 23b0d452e1 (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - きなこもちさん» 有難うございます!満足頂けましたか?とてもの三連続…w次回の作品もいずれ書きますのでその時はよろしくお願いします! (2018年3月4日 19時) (レス) id: 23b0d452e1 (このIDを非表示/違反報告)
きなこもち(プロフ) - 完結おめでとうございます!とてもとてもとても面白かった…!お疲れ様でした(*´∀`*) (2018年3月4日 19時) (レス) id: 48ae29e69a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:時雨 | 作者ホームページ:
作成日時:2018年2月14日 12時