◇ ページ24
.
『なんか...昔を思い出します...』
この感じ。
彼の声が聞こえてくるような気がした。
『昔、もう何年も前に、男の子に絵を描いた事があったんです。』
��「A」��
『視力が今よりも無かったから、似顔絵とかじゃなくて、ただ空の絵だったと思います』
��「俺は....どこにも行かないよ....」��
『そんな絵でも、彼はすごく褒めてくれました。』
��「青空が俺なら、Aは太陽だよ」��
『今、彼がどこで何をしてるかなんて、分かりません。でもたまに、こうやって彼のことを思い出すんです。』
��「いかないで」��
『本当に、辛い時に、そばに居てくれて...
好きで、大好きで.....
私の
大切な初恋でした。』
ここまで、熱心に手を動かしながら勝手に回想して
ハッとした。
『って、すみません。こんなこと話しちゃって...』
もう何年も前のことなのに、顔も分からない彼のことを思い出すと涙が出る
それに本当に、
どれもこれも、素敵な思い出
あのスラッとした長い指
温かくて大きな手
大きな背中
柔らかい髪の毛
優しい触れ方
声変わりしたばかりの少しだけ低い声
彼の優しい心
��「これだけ....本当に....愛してる」��
溢れる気持ちに蓋をするように目を擦った。
次の色をのせようと、再び彼をみれば少しだけ耳の辺りが赤みがかっている。
彼の白い肌にほんのりとピンクを耳の辺りにのせて、実際の彼を模した。
.
『あの...これ...』
出来上がった色紙を彼に渡しながら彼の側へと歩み寄った。
『すみません、お顔の全てが鮮明に見える訳では無いので、大分ぼやっとした絵ではあると思うんですが....』
彼は長い指で私の絵を本当にそうっと受け取ると、
しばらくの間、見つめてから、
何度も何度も確かめるように頷いた。
『気に入ってくれたみたいで良かったです。』
画材をしまおうとした時、
『わっ....』
椅子につまずいて体はバランス感覚を失ってよろめいた。
ぎゅっと衝撃を覚悟して目を瞑れば、彼に左の腕を引かれたのが分かった。
『すみません！ありがとうございます』
彼はそのまま私の腕を取って、手を握ると、私の薬指の指輪をそっと撫でる
そんな彼を不思議に思って彼を見て
.
息を飲んだ。
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ほくほくスイートポテト男爵芋娘(プロフ) - jen（読み垢です）さん» jenさんんー！あちこちでお会いできて超絶嬉しいですうおおお！是非是非感情豊かに読んでもらえると嬉しいですよう(*'▽'*)照 (2023年1月21日 0時) (
レス) id: 2e9247ccdf (このIDを非表示/違反報告)
jen（読み垢です）(プロフ) - ほくほくさん…こちらも読ませていただいています 切なくて動悸が止まらない。 切ない。 (2023年1月20日 20時) (レス) @page15 id: 8b083b7e19 (このIDを非表示/違反報告)
ほくほくスイートポテト男爵芋娘(プロフ) - リュイさん» お返事遅くなりました(´･･`)リュイさん、こんばんは！少しだけ悲しめの物語にはなってしまったのですが、こちらこそ、ありがとうございます、ですTT応援も本当に有難いです！これからも頑張ります！是非、またどこかでお会いしましょう！ありがとうございました！ (2021年10月21日 19時) (レス) id: 2e9247ccdf (このIDを非表示/違反報告)
リュイ - 文才…終わった後、少しだけ泣いてしまいました。ありがとうございます。これからも頑張ってください！応援してます！ (2021年10月20日 19時) (レス) @page27 id: 2183f1b6e8 (このIDを非表示/違反報告)
ほくほくスイートポテト男爵芋娘(プロフ) - もちさん» もちさん、、、！そう言っていただけると安心いたしました....泣こちらこそ読んでいただいてありがとうございますTTコメントも嬉しいです、ありがとうございました(;o;) (2021年10月17日 6時) (レス) id: 2e9247ccdf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ほくほくスイートポテト男爵芋娘 | 作成日時：2021年10月9日 0時
