幼馴染みはジェノであれ

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物音に目を覚ました。


ジェノが帰ってきたんだ。


私はいつの間に寝てしまったんだろうか。


携帯を見るとそこには2:46と記されていて


こんな時間までジェノは外に居たんだ。


なんて勝手に考えては撃沈した。


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トントンとドアを優しく叩く音


やば....


今顔を合わせてもいつも通りの対応なんて出来ないんだけど！？


咄嗟のことに急いで毛布にくるまって、思わずするのは寝たフリだった。


JN「A？」


小さな声でジェノがそう言った。


JN「A、起きてるの？」


ジェノがそう言うのも無理はない状態だった。


それもそのはずドアはしっかりと閉まってはいなくて、尚且つ机の電気から部屋の電気まで、付けっぱなしにして寝てしまったのだ。


JN「開けるよ」


ジェノはそう言うとゆっくりと扉を開けた。


何度も何度も返事をしようか考えたけど、もう遅い


私に残された義務は寝たフリを突き通すことだった。


JN「A寝てるの？」


ジェノはさっきから用心深く私にそう聞く。


ジェノに顔を覗き込まれるよりも早く私は壁の方へと寝返りをうった。



JN「.......」


ジェノの気配をしばらくじっと感じようとするけれど


ジェノは特に何も言うことも、することも無くただずっと黙ったままだった。


なんだかいても立っても居られなくなってしまって目をぎゅっと瞑った__



その時だった。



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ジェノは私の枕元にそっと腰掛けるとその暖かい手で私の頭を撫でた。


突然の行動に思わず息を止めてしまう。


私の頭上を往復する手に本当に眠りにつきそうになってしまった。


この不思議な空間は、恐らく三、四分も続いたと思う。


最初は感じたドキドキも次第に眠気へと変わってきた頃だった。


閉じた暗い視界に更に影がかかる感覚と


ふわりと香るのは紛れもないジェノの匂い


ジェノはそのまま私の頬に顔を近づけた。


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JN「ごめんね」


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今にも消えてしまいそうな声でそう呟くと


ジェノは私の頬に


本当にそっと、キスをした。


そのままジェノはベッドを揺らさないように静かに立ち上がると


電気を消し、静かにドアを閉めて出ていった。



真っ暗な部屋。


なんだ、今のは。


ガバッと飛び起きて胸を抑えた。


まるで最後の挨拶みたいじゃないか。


なんで急にそんな事したの


なんで謝ったの



『変なの。』



やっぱりジェノは、謎だらけなんだ。

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