キスをしようか ×ym

頬にキスをしよう hkym ページ14

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hk side



誰かと笑い合ってる君が好きだった

向日葵までとは言わない、

紫陽花のような、淡い優しい笑顔を見せる君が…





「それでね、薮ちゃんったら、
包丁で卵割ろうとしてたんだよ？」





だけど、





「もう呆れちゃって…。結局全部俺が作ってさー」





いつからだろうか





「……まぁ、いいんだけどね。
薮ちゃん美味しいって言ってくれたし」





俺は不自然なまでに
誰かを思って微笑む君を、避けるようになった





「……光くん？聞いてる？」

「……へ、？……あ、うん。
薮が喜んでくれたんだろ？良かったな」





ただ見ているだけで十分だったのに、
“好き”の形を自分で変えてしまった俺は、
誰かに向けられた笑顔では満足できなくなっていた





「……変なの。……あ、分かった！
俺が薮ちゃんと仲良くしてるから、
ヤキモチ妬いてるんだ！」

「は、はぁ、！？」





一瞬、気づかれたのかと思った

昔と変わらず、
兄貴みたいに接してきたはずなのに、なんでって…

今まで通りの関係でいられなくなったら、、
好きな人がいるなんて言われたら、、

ネガティブな考えばかりが浮かんでくる


でも、そんな心配いらなかったみたいだ
なぜなら、
君は俺に負けないくらいおバカさんだから





「大丈夫だよ。薮ちゃんは取らないからね」

「……ったく、そっちかよ、」

「んー？何か言いました？」

「何でもねぇ。
ほら、手止まってんぞ。早く玉ねぎ切れ」

＊→←あとがき

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