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されるがままバンザイの形になると
着ていたトレーナーはあっという間に
ベッドの下へと放られる
いつもの手つきで優しく押し倒されて
私のとは違うシャンプーの香りが
ふんわり鼻を掠めた
辰哉がメガネを外しサイドテーブルに置いて
その手で部屋の電気を消す
間接照明の淡いオレンジ色が
辰哉の顔に影を落として
目にかかる前髪
長くて濃いまつ毛
しゅっとした輪郭
白くて綺麗な首筋
その全部が色っぽくみえて
ドキドキして仕方ないーー…
そんな風に思っていたのは
なんだかもうずっと前な気がして
私の上に跨る辰哉から目を逸らしたけど
「A、こっち向いて？」
甘い声で阻止されて
ゆっくりと目を合わせると
満足そうにくしゃっと微笑む
…きっと、私だけに見せる特別な表情だ
そのまま目を閉じると
唇を尖らせて
顎先だけをクイっと動かす
「ん、」
「…何？」
「ちゅーして？」
「え？」
「Aからはあんましてくんないでしょ」
「そうだけど…」
「ほらぁ、早く」
恥ずかしいのを堪えながら
少し体を起こして唇を近づけた
…のに、
触れるか触れないかぐらいのところで
辰哉が逃げるみたいに体を逸らしたから
「あはは、ごめ、急に恥ずくなっ…」
そう話す途中で
思わず両手を伸ばすと
白くてすべすべの頬をつかまえて口づけた
「んは、かぁいすぎだろ」
辰哉はまた満足そうに笑うと
今度は深く、唇を重ねた
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作者名：Hoshi | 作成日時：2022年3月15日 17時
