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1度ブリーチしただけなのに
傷んですぐ色落ちする髪を
適当に後ろで束ねてラーメンをすする
これで最後
そう思うと
いつもの倍、食べるのに時間がかかった
それに反して目の前の彼は
案の定、ラーメンが飲み物状態で
あっという間にスープまで完食して
私が食べ終わるのを見ていた
最後の一口をゆっくりと飲み込んで
箸を置く
ふぅ…と大きく息を吐いて
彼の名前を呼ぼうとしたとき
辰哉の方が先に口を開いた
「今日、午後どうする？
一緒に買い物でも行く？」
あまりにも普段と変わらないような問いかけに
思わず言葉を飲み込んでしまった
「A？どした？」
顔を覗き込まれて
そらしていた目が合う
黙り込んだ私を不安そうに見るその目は
とても優しくて
決心した気持ちがぐらぐらと揺れた
…だけれど、
「辰哉、」
「ん？」
「……今まで、ありがと」
「お、おう…？」
綺麗な指先で頭をぽりぽりとかいた
少し困った時の辰哉の癖だ
「…別れよっか」
振り絞るように出したこの言葉は
小さくて震えてて弱々しかった
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作者名：Hoshi | 作成日時：2022年3月15日 17時
