好きだと言って、抱きしめて【赤】

17 話 ページ19

Aside









春奈、どうか無事でいて...!!

ただそれだけを思って走り周り、叫び続けた。





「春奈〜〜〜〜！！！」





この声が届くように。



お願いだから、どこなの？

返事してよ。私、春奈がいないとダメだからさ...









「...あ！」





遠くで怪しい黒い車が道を曲がっていくのが見えた。



そして、スターランドに続く山を登っていく。





「もしかして、あれ...」





私はその車を追っていった。









・









「ﾊｧ...ﾊｧ...」





山を登っていくのはとてもきつくて、疲れが溜まってきた。






「ｹﾎｯ！...ﾊｱ」





やだな、こんな時にまたにある病気の再発はやめてよ...



自分に言いながら、影からそっと顔を覗かせる。



あぁ、怖い...
それにただ跳び出してきたから、スマホも持っていない。






「...しげのこと、ちゃんと待ってれば良かったかな」





小さく呟いた。



う〜んでもそうすると、そのうちに春奈がどっかに連れてかれちゃう。









いろんなことをもんもんと考えても、答えなんて見つからない。









ｶﾞｻｯ






「ひっ！」






物音に気付いたときはもう、遅かった。









.









.









.









男の人に口を押さえられ、強い力でどこかへ連れてかれた。

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