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コネシマと別れて最後の鬱を探す。
周囲に人がいなくなった辺りで、Aは歩きながらおもむろに口を開いた。
『ゾムさんは意外と優しい方なんですね』
知りませんでした、と続ける彼女にゾムの目が僅かに見開かれる。
「は？何で？」
『ここまできてとぼけなくていいですよ。あれだけ擁護して下さればさすがにわかります』
先程の訓練場。
多くの視線に晒されたが、それを庇うように前に出て視線を遮ったのは誰か。
書類仕事には関係のないあの場で、あえてAの仕事ぶりを褒めて吹聴したのは誰か。
それは隣を歩いているゾムだった。
コネシマはいつも通りの反応だった、故にこの件はゾムがわざとそういう態度をとったことになる。
よく考えれば道中の歩く位置も右に左にと変えていた。
彼女が好奇の、もしくは疑念の視線に晒されていることを知っていたということだろう。
『初めからそのつもりで来て下さったので？』
「…さあ？何のこと言ってるかわからんな。俺はおもろそうやからついてきただけやし」
『そうですか、でもありがとうございます。残念ながら面白さは提供できていませんが』
「いや、十分おもろいから平気。さーて大先生は書類見てどんな反応するんやろうな」
そう笑うゾムに、Aも深くは追求せずに微笑み返した。
「すみません、先程戻ったばかりなのでちょっとわかりませんね…」
申し訳なさそうなエーミールに礼を述べる。
あちこち歩き回っているが鬱だけが見つからないのだ。
退屈し始めた様子のゾムを一瞥し、Aも小さくため息を吐く。
『…仕方ありません、最終手段です』
「おっ？どうするん？」
聞き返す声には答えずに、Aはインカムのボタンを押す。
すぐに繋がった彼に全てを託すことにした。
『ロボロさん、お仕事中申し訳ございません。お手隙でしたら少々お伺いしたいことがあるのですが』
「どしたー？暇やし遠慮せんで言ってー」
『鬱先生はどちらに居るかわかりますか？』
文字通りの最終手段を無機質な顔で使用した彼女に、ゾムがクククと笑い声をもらす。
一方エーミールは、彼女の表情に疲労の色を見て心中察したのか苦笑を浮かべた。
「えーとねー…、あ、図書室やな」
『図書室ですか』
「はあ？いつもそんなとこ行かんやん」
「確かに珍しいですね」
「A、多分これ寝とるで」
『そうですか、ありがとうございました』
エーミールに一礼し、図書室へ向かうA。
その後ろを追うゾムをエーミールは苦笑いで見送った。
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ミリオ - 小説読ませていただいてます！いやもう読む手が止まらないくらい、面白いです。グル氏の少し子供っぽいところがツボで、来るたんびに部屋で一人で「キャー！！」って言ってますw私は読むことしかできませんが、これからも頑張ってください！ (2020年3月23日 2時) (
レス) id: 5e8093b1cc (このIDを非表示/違反報告)
璃亜(プロフ) - 豆粒さん» コメントありがとうございます。わかりやすいですか…！？嬉しいです！更新遅くて申し訳ないですが、またいらしていただけると嬉しいです。 (2017年11月27日 8時) (レス) id: 97b5822f0b (このIDを非表示/違反報告)
豆粒 - はじめまして!内容が濃くて続きが気になってしまいます(*´∀`*)あと その場の状況がわかりやすい詳しい文にとても惹き付けられちゃいます、更新お疲れさまですっ (2017年11月26日 20時) (レス) id: 6ecce97bae (このIDを非表示/違反報告)
璃亜(プロフ) - RIARUさん» コメントありがとうございます。面白いと思っていただけて嬉しいです！いえいえ、私の話は参考にできるほどではないので…。ゼロからオリジナルで書かれた方がもっと面白いお話ができるかと思います。 (2017年11月21日 12時) (レス) id: 97b5822f0b (このIDを非表示/違反報告)
RIARU(プロフ) - 作品読ませていただいてます！とても面白いです。私も小説を書いてるんですが参考にしてもよろしいでしょうか？失礼だったらすみません。 (2017年11月19日 21時) (レス) id: 88c227d681 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：璃亜
| 作成日時：2017年7月7日 23時
