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すぐに切り替えたトントンに最後に連れられたのは警備室、もとい機械室とでも呼んだ方がいいだろうか。
室内にいくつもモニターが並び、同様に何台ものパソコンやよくわからない機械が並んでいるそこは別の意味で圧倒される。
技術力も優れたもので、キョロキョロと見回しながら中へ進んでいくとちょこんと椅子に座る後ろ姿を発見した。

「ロボロ、来たで」
「おー、待っとった、…くっ、」

トントンの呼びかけで後ろを振り向いた彼はにこやかに声を発したが、男の顔を見るなりこらえきれなくなったように小さく吹き出す。
その様子に二人揃ってきょとんとしてしまったが、思い当たることがあったのかすぐにトントンが眉間に皺を寄せた。

「…お前あれか、もしかしてさっきのか」
「いやー?別にー?トントンが照れてるのおもろいとか全然思ってないでー?」
「おっまえ!やっぱ見とったんか!」

ふふふと楽しそうに笑顔を浮かべるロボロ。
主語はないが恐らくトントンをからかっているだけだろう。
別に訂正することもフォローすることもないので彼らのやり取りを見守っていると、ロボロから何かを差し出された。


「これ、Aのインカムな。さっき渡せたら良かったんやけど、一応不備がないか確認しとった」

渡されたのはシルバーの小型のインカム。
イヤホンのように耳に差し込むようだが、シンプルながら僅かに装飾が入っている。

『素敵なデザインですね。なんだかアクセサリーのようにも見えます』
「そう!女の子やからこういうのの方がええかなって思って。…気に入った?」
『はい。ありがとうございます』
「良かったぁ。幹部は基本的に皆持っとるから、何かあった時は遠慮なく使ってな」

安心したように笑うロボロ、もう完全に扱いが幹部なのだがいいのだろうか。
腕章やバッチのような階級を表すものではないが、これを付けているということは城内の人物からもそういう風に見られるのではないだろうか。
遠慮がちに受け取り操作方法を聞く。
実際にその場で付けてみるが、似合うと褒める二人に反して彼女は身が引き締まる思いがした。


「俺は基本ここで仕事してるから、何か用があったらインカムでもええしここに来てくれてもええよ。あ、でも総統秘書やからあんまそういうのはないかな?」
「いや、全然あり得る。グルさんが脱走した時とか」
「あー…Aが来たことで脱走減るとええんやけどなぁ」

総統が脱走って、何を間違ったらそうなるんだ。

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はろ - 初コメ失礼します。今日初めてこの小説を見つけ一気に読んでしまいました。素敵な作品をありがとうございます! (2019年5月10日 23時) (レス) id: 04eaede967 (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - あ、あの、エーデルが死ぬと思ってなくて思わず涙が……(T ^ T)作品好きです!ま、まさかのおおおおってなっておりますっっ! (2019年4月26日 17時) (レス) id: 0dc2b364d7 (このIDを非表示/違反報告)
璃亜(プロフ) - フーさんさん» コメントありがとうございます。ボキャブラリー広いですか…!?まだまだ勉強不足な面もありますが、そう言っていただけて嬉しいです!ありがとうございます。続編もあるのでよかったらご覧になってみてください。 (2018年3月14日 21時) (レス) id: 97b5822f0b (このIDを非表示/違反報告)
フーさん - 主様のボキャブラリー広すぎるぅううう… (2018年3月14日 13時) (レス) id: c25a3a0724 (このIDを非表示/違反報告)
璃亜(プロフ) - 遊馬さん» コメントありがとうございます。まだまだ拙いですが、お褒めのお言葉とても嬉しいです…!お気遣いありがとうございます。次作もどうぞよろしくお願いします。 (2017年7月7日 14時) (レス) id: 97b5822f0b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:璃亜 | 作成日時:2017年5月24日 22時

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