【wrwrd!】とある社畜外交官の憂鬱２

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未だワイワイと騒ぐ幹部達を見ながら呆れた様子のトントンがAに声をかける。

「すみません、お疲れのところ騒ぎ立てて…」
『いえ、歓迎していただけるのは嬉しいです。それより、私はもうただの新入りですからかしこまらなくて結構ですよ？気軽にお話しして下さい』
「…そうか、うん、じゃあお言葉に甘えるな。……えっと、それならその、仲間やし、…Aって呼んでも？」
『もちろんです。これからよろしくお願いいたします、トントン書記長』

笑顔で許可を出したAにトントンは安堵したが、最後に付け足された言葉に顔が固まった。
Aは気にせず周りへ問いかける。

『念のため皆様の役職もお伺いしてよろしいでしょうか？呼び方に困りますので』
「え？別に今まで通りでよくない？」

きょとんとした顔ですぐに反応したシャオロンにつられて他の人間も一様にこちらを見る。
なんとなくこの後の展開は予想できてしまったが、それでもAは口を開いた。


『そういう訳にはいきません。私はここでは新入りですし、いくら権限を与えていただいたと言っても幹部の方より下の立場ですから。お手数ですが、総統閣下とトントン書記長とオスマン外交官以外の方の正式な役職名を教えていただけると助かります』

サラリと言ってのけたAに名前が上がったグルッペンとオスマンも固まる。
完全に役職名で呼ぶ気だ。
対する鬱は困惑した様子で口を開いた。

「そんな堅っ苦しい呼び方なん？なんか寂しいわ…。鬱先生、いや大先生でええって。もちろん鬱さんとか鬱くんとか、鬱だけでもええんやで？」
『直属ではありませんが軍という広義の意味では部下のようなものでしょう。親しげに呼ぶのは恐れ多いです』
「いやなに遠慮してんねん自分。幹部同様の権限ってつまり幹部やろ。対等なんやし呼び捨てでもええくらいやで」
「ゾムの言う通りや！むしろ今こそタメ口にする時ちゃうん？」

ゾムとコネシマのファインプレーに周りの何人かが頷く。
しかしAは小さくため息を吐いた。


『ありがたいお話ですが、これは皆様だけの問題ではありません。他の方の目にどう映るかもお考え下さい』
「そんなもの気にしなくていいだろう。俺達がいいと言えば問題ない」
『そういうのを職権乱用と言うのですよ、総統閣下』

あからさまに強調された語尾にグルッペンの眉間に皺が寄る。
この人とは毎回呼び方でもめるな、などとどこか冷静にかんがえながらもAは次に繰り出す言葉を考えた。

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