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「へぇー！そんな祭りやってたんや！」
「まあたまたま見れただけなんやけどな。結構凄かったわ」
「ええなぁ、うちそういうのあんまないもんなぁ」
兄さんが話すのは昨日まで滞在していた国の話。
その国の名物や偶然見たと言う祭りの話をいくつかしてくれたが、Aもまだあまり関わりのない国なので興味深い。
コネシマも楽しそうに聞いている。
「うちもなんか生誕祭みたいなのやらん？グルッペンの誕生日とかどうや！」
「やめろ。国を挙げて祝われるようなものじゃない。それに余計な奴に便乗されるのも嫌だ」
「ああ、確かに。ここぞとばかりにグルさんに媚び売ろうとする奴ばっか来そうやな」
「それもそうか…じゃあ建国記念日とか！」
余程祭りがやりたいのか、もしくは単に興味心を刺激されただけか。
彼ならどちらもあり得る。
隣の発言を流しつつふと視線を移すと、兄さんが掛けているストールが揺れたのに気がついた。
少し離れた所にあるドレッシングを取ろうとしているのか、若干前のめりになる姿勢。
このままいくとケチャップが付く、そう理解したAは咄嗟に声を発していた。
『兄様、ストールが、』
その呼びかけに兄さんの動きが止まる。
間一髪だ。
しかし止まったのは彼の動きだけではなかった。
「…え、Aさん…？」
『はい？どうされました、トントンさん』
「やっぱ兄様って俺か。ストール付けてんの俺だけやもんな」
一拍遅れて兄さんが頷く。
しかし周りはまだ混乱しているようだった。
「え？兄様？兄さんそんな風に呼ばせとんの？」
『いえ、何でもいいとおっしゃって下さったので、私なりに考えたんですが…すみません、ご不快でしたか？』
「いや、そんなことないけど…すまん、逆に気ィ遣わせたか」
苦笑を浮かべる兄さん。
なんかより兄弟感増すなぁ、と本人は冷静に呟くが、周りの反応は冷静とは程遠い。
「え、ズルくない？僕も兄様って呼ばれたい」
「大先生相変わらずきしょいな」
「いや、俺は大先生の言うことわかる気がする」
「ロリコン二人は黙ってろ。これ以上Aさんに迷惑かけたら殺すぞ」
「ははは！お前らどんだけトントン怒らすん！」
「おうコネシマお前もやからな」
「なんやと…！？」
「……」
「グルッペン顔怖いよ」
「視線で殺されるめうー」
こんなに騒がれるとは。
兄さんも呆れたようにその光景を見るとため息を吐いた。
「普通に“兄さん”でええよ。俺も呼び捨てにするから」
彼の気遣いには感謝しかない。
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はろ - 初コメ失礼します。今日初めてこの小説を見つけ一気に読んでしまいました。素敵な作品をありがとうございます！ (2019年5月10日 23時) (
レス) id: 04eaede967 (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - あ、あの、エーデルが死ぬと思ってなくて思わず涙が……(T ^ T)作品好きです！ま、まさかのおおおおってなっておりますっっ！ (2019年4月26日 17時) (レス) id: 0dc2b364d7 (このIDを非表示/違反報告)
璃亜(プロフ) - フーさんさん» コメントありがとうございます。ボキャブラリー広いですか…！？まだまだ勉強不足な面もありますが、そう言っていただけて嬉しいです！ありがとうございます。続編もあるのでよかったらご覧になってみてください。 (2018年3月14日 21時) (レス) id: 97b5822f0b (このIDを非表示/違反報告)
フーさん - 主様のボキャブラリー広すぎるぅううう… (2018年3月14日 13時) (レス) id: c25a3a0724 (このIDを非表示/違反報告)
璃亜(プロフ) - 遊馬さん» コメントありがとうございます。まだまだ拙いですが、お褒めのお言葉とても嬉しいです…！お気遣いありがとうございます。次作もどうぞよろしくお願いします。 (2017年7月7日 14時) (レス) id: 97b5822f0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：璃亜
| 作成日時：2017年5月24日 22時
