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いつも以上に周囲の視線が気になる。
たかが数日しか経っていないのにずいぶんと久しぶりな感覚がしたのは、向こうで感じる視線とは違うものだったからだろう。
声をかけられないのを良いことにすれ違う彼らを全て無視する、上官が居なかったからこそできたことだが。
辿り着いた扉の前でようやくAは長く息を吐いた。
「戻ったか、A君。災難だったな」
『ご迷惑をおかけいたしました。早速ですが状況を。戦況についてはある程度把握しているつもりです』
挨拶もそこそこに仕事の話を始めたAにエーデルは苦笑を浮かべるが、すぐに口を開いてくれた。
「現時点で私達はマレーネに対して物資救援と一部隊派遣という形をとっている。マレーネ側から打診があったからだが、彼らはあまり事を大きくはしたくないようだったな」
『なるほど。電撃戦にも関わらず早期に手を組んだと相手に知らしめる為でもあったんでしょうね』
「シャスティアは近隣国へと参戦の打診をしているようだな。我々国とも交渉中で、戦争好きなあの国なら参戦するだろうという噂だが、そのあたりはどうだ？」
案外トントン達の言っていた他国からのイメージは間違っていないらしい。
自国の上官にすらそう言われている彼らはやはり戦争のイメージが強いのだろう。
内心苦笑しつつ、すぐにAは答えを返す。
『参戦はあり得ません。打診はありましたがきっぱり断ったそうです。実際会談をした幹部達は相当嫌悪していましたし、総統からも今後組むことはないとお約束いただきましたから』
「それはありがたいな。いよいよ大掛かりな戦争になるかもしれないと嘯いていた奴らもいたんだが」
『そうなる前に帰ってきて良かったです。シャスティアは上層部が一新してからあまり他国と交流を持っていなかったようですね。実際劣勢のようですし、大方我々国等の実力のある国の存在をチラつかせて何とか引き伸ばしているといったところでしょう』
話しながら頭の中でリストを作る。
大体やるべきことはわかった。
城内の不穏はエーデルに何とかしてもらうことにして、自身は周辺国と折り合いをつけることに全力を出せばいい。
Aの考えていることがわかったのか、エーデルはいつもと同じように微笑む。
「君の意見は？」
『マレーネの意向にもよりますが、さっさと平和的に戦争を終わらせるべきかと』
「私もそう思う。まあ上の奴らは任せておいてくれ」
頼りになる言葉に彼女は珍しく静かに頭を下げた。
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はろ - 初コメ失礼します。今日初めてこの小説を見つけ一気に読んでしまいました。素敵な作品をありがとうございます！ (2019年5月10日 23時) (
レス) id: 04eaede967 (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - あ、あの、エーデルが死ぬと思ってなくて思わず涙が……(T ^ T)作品好きです！ま、まさかのおおおおってなっておりますっっ！ (2019年4月26日 17時) (レス) id: 0dc2b364d7 (このIDを非表示/違反報告)
璃亜(プロフ) - フーさんさん» コメントありがとうございます。ボキャブラリー広いですか…！？まだまだ勉強不足な面もありますが、そう言っていただけて嬉しいです！ありがとうございます。続編もあるのでよかったらご覧になってみてください。 (2018年3月14日 21時) (レス) id: 97b5822f0b (このIDを非表示/違反報告)
フーさん - 主様のボキャブラリー広すぎるぅううう… (2018年3月14日 13時) (レス) id: c25a3a0724 (このIDを非表示/違反報告)
璃亜(プロフ) - 遊馬さん» コメントありがとうございます。まだまだ拙いですが、お褒めのお言葉とても嬉しいです…！お気遣いありがとうございます。次作もどうぞよろしくお願いします。 (2017年7月7日 14時) (レス) id: 97b5822f0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：璃亜
| 作成日時：2017年5月24日 22時
