【wrwrd!】とある社畜外交官の憂鬱

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「え！？もしかしてA今やったん！？ほんまに！？」

ゾムのからかう様子を見てようやく思惑のやり取り、彼らの言う直接対決があったことを悟ったシャオロンが身を乗り出して尋ねてくる。
もちろん口説かれてはおらずそれとなく外交会話へ誘導しただけなのだが、仕掛けをかわしたという意味ではそういうことになるのだろうか。
結果としては鬱の一言に全てを持っていかれた気もする。


『そんなに大層なものでは…と言うよりシャオロンさんが合図されたと思うのですが』
「いやそうやけど！」
「えっ、そうなん！？ちょ、Aもっかい！」
『もう一回と言われましても…コネシマさんも皆様とご覧になっていたのでは？』
「その堅っ苦しい敬語いらん言うたやろ！見てたけどわからんかったんや！」
『そうでした、すみません』

「ちょおAちゃん困らせんといてや、大事な外交相手やで」
『オスマンさんは全ておわかりの上で黙っておられたように見えましたが』
「え？気のせいちゃう？」

にこりと微笑むオスマン、完全に状況を楽しんでいる。
外交上はあまり感じなかったが実は意外と愉快犯なのではないだろうか。
そんな失礼なことを考えているとしばし黙っていたグルッペンがゆっくり口を開いた。


「…三人とずいぶん仲良くなったんだな」
『はい、ありがたいことに。オスマンさんとは本日で三度目ですし、コネシマさんとシャオロンさんはご案内いただいた際にいろいろとお話しさせていただきました』
「そうか」

先程よりも低い声、明らかに面白くなさそうな表情をしている。
何だ、今の会話のどこに不満があった。
ひとまず機嫌が急降下したことだけは理解した。
何か失礼をしてしまっただろうか、いや、思い当たる節はいくつもあるが彼はそれも含めて楽しんでいたように見えたのだが。
隣のオスマンは助けてくれなさそうなので原因を探るべく顔色を伺いながら話しかける。


『…幹部の方々と勝手にお話ししてしまい申し訳ございません。以後注意いたします」
「それは構わない。そんなことで怒りを覚えたりはしない」
『…先程のお話でも私の配慮が足りないばかりに総統閣下にあらぬ誤解が降りかかってしまいました。お詫び申し上げます』
「あれは大先生にゾムが悪ノリしただけだ」

これも違うのか、じゃあ何なんだ。
総統室でのことは笑っていたしゾムやひとらんらんとの挨拶も問題はなかったはず。
内心で少し焦り始めた頃、彼はその鋭い視線をようやくこちらへと合わせた。

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