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金髪に空色の瞳、戦場では狂犬の異名も持つコネシマ。
ニット帽にオーバーオール、軍内で近接戦最強と謳われるシャオロン。
噂で聞いていた内容ではどんな屈強な男かと思っていたが、実際の二人は明るく元気、そして良くも悪くも素直で正直な人間だった。
「あーっはっはっは!オスマンそれほんまなん!?」
「ほんまほんま。俺爆笑したもん」
「マジかよ俺も見たかったわー。録画残ってへんかな。あったらロボロに見してもらわん?」
「お、ええやんそれ!大先生にも教えてめちゃしこからかったろうや!」
今は先程総統室であったやり取りで盛り上がっている。
オスマンがAの紹介がてら些細に語った内容に、二人は喧嘩なんてまるで無かったかのように腹を抱えて笑いだした。
計画通りとは言え総統相手にそこそこやらかしたのにいいのか、とAの方が戸惑う程である。
「Aやったっけ?お前やるやん!あいつに一泡吹かせるとかたいしたもんやで!」
『ええと、ありがとうございます。…お褒めいただいているんですよね?』
「褒めとる褒めとる!うちでグルッペンに口で勝てる奴なんか…トントンとオスマンくらい?」
「俺は勝てへんよ」
「よう言うわ。え、じゃあこのままついてったら直接対決見れるん?」
ウキウキした様子のシャオロンにコネシマもすぐに食いつく。
何でそんなに楽しそうなんだ、と言うか薄々疑問に思っていたけどここの上下関係はどうなっているんだ。
しかしオスマンは苦笑を浮かべて首を横に振った。
「いや、今は案内中やから。…あ、でもグルッペンがお昼に招待したんよ。だからそん時来れば…」
「見れるって訳やな!おっしゃ、絶対合わせに行こ」
「せやな。でも俺やっぱついてくわ、そっちの方が確実やん。どうせ暇やし」
「ずるいでシャオロン。ほんなら俺も行く」
「ええ?お前ら仕事終わってんの?」
ギクッと肩を震わせる二人。
しかしすぐに慌てたように笑顔で口を開く。
「ええねんええねん!急ぎちゃうしな!」
「そうそう!それよりお客さんの方が大事やろ!」
「…俺知らんからな、トントンに粛清されても」
オスマンがそう言うとコネシマは口笛を吹いて誤魔化し、シャオロンは耳を塞いで聞こえなかったふりをする。
どうやらまたトントンに迷惑をかけてしまいそうだ。
さすがに申し訳なくなってきた、これは次回彼にも土産が必要かな。
そんなことを考えつつAは目の前の賑やかな二人に笑いかけた。
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ゆう - メンバー同士の掛け合いもリアルでテンポよく、話の構成もしっかりしていてとても読み応えがあり面白いです!言葉の選び方や設定まで凄く丁寧で尊敬します。小説として面白く、それでいて『リアル』を崩す事なく描かれていて凄いと思いました。 (2019年8月4日 23時) (レス) id: 7c238edc15 (このIDを非表示/違反報告)
璃亜(プロフ) - もちえもんさん» コメントありがとうございます。沢山のお褒めの言葉、嬉しいです!書きやすい方と掴みきれていない方でどうしても差が出てしまうのですが、なるべくいろんな方と絡めるように頑張ります。 (2017年5月18日 2時) (レス) id: 97b5822f0b (このIDを非表示/違反報告)
もちえもん(プロフ) - 恋愛一色ではないのにこんなに好きになった小説は初めてです。メンバーと仲良くなっていく過程が早すぎず、自然で素晴らしいです!キャラが掴めていて、言葉遣いが上手で尊敬します。今後とも楽しみにしておりますm(_ _)m (2017年5月17日 23時) (レス) id: 801b233da8 (このIDを非表示/違反報告)
璃亜(プロフ) - 那月さん» コメントありがとうございます。読みやすいですか…!ありがとうございます!話の進みは遅いですがよかったら今後とも見ていただけると嬉しいです。更新も頑張ります! (2017年5月16日 13時) (レス) id: 97b5822f0b (このIDを非表示/違反報告)
那月 - 夢主ちゃん苦労人ですね;´`文面もきちんとしていてとても読みやすく、面白いです…!!昔ほど酷くないですが未だにやや男尊女卑の所があるのでそこも共感して読めます。これからどのように夢主ちゃんが戦っていくのかとても気になります。更新頑張ってください(*´-`) (2017年5月16日 3時) (レス) id: 329c4228b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:璃亜 | 作成日時:2017年4月30日 2時