その小さな手は優しく ページ8
『よしよし、よしよし』
「、何してんのオマエ」
『よしよし！』
にぱっと笑ってよしよしとオレの頭を撫で続ける
『キバナさん元気ない？よしよししたら元気になる？』
「…！」
無反応だったのが不安になったのか
ちびは心配そうに俺の顔を覗き込むと、途端にふにゃ…と今にも泣き出しそうな顔をした
『もしかしてどこか痛いの？おなか？あたま？』
「別に…」
真っ直ぐで必死な瞳にいたたまれなくなり目を逸らした
落ち込んでたんだオレは
今日のエキシビションマッチでまたダンデに敗れて
だから
ちょっと気晴らしにからかってやろうと思っただけだった。それが逆に毒気を抜かれるとはまさにこの事か。そんな気も失せたわ
「…。ああ、直った！」
『！ キバナさんやっと笑ってくれた！』
心で踏ん切りをつけて ぱっと顔を上げ笑って見せれば安心したのか、ぱあああっと満開の花が咲く
その笑顔を見た瞬間
胸の中でつっかえていたものがストン、と落ちたような感覚を覚えた
さっきまで沈んでいたはずの気分が今は不思議と軽くなったような気さえする
そうだな。まぁ、今回はお礼くらい言ってやらない事もない
「ありがとな！…えーっと」
名前を呼ぼうとして詰まる
そういやコイツの名前まだ聞いてなかったか
「ちび。オマエ名前は？」
『A！』
「Aか。ありがとな！A。」
『うんっ』
わしゃわしゃっと頭を撫でると幸せそうに目を細めて笑う。頭を撫でられるのが相当好きらしい。
子どもは単純なもんだ。
オトナになるにつれ その単純さが、時に羨ましいとさえ思う
「じゃあ もうすぐ暗くなる。心配するだろうからそろそろ家帰れよ」
『…！』
家という単語に反応したのか
Aは一瞬で顔を強張らせて息を飲む
「どうした？」と聞けば、しゅん…と俯いて黙り込んでしまった
優しく促せば 弱々しい声でポツリと呟いた
『…A。おうちには帰れないの』
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愛っち(プロフ) - 天使の主人公ちゃんとキバナさんとのやり取りがホッコリします！次の更新頑張ってください‼️ (2022年4月24日 16時) (
レス) id: d531dd11f3 (このIDを非表示/違反報告)
ＡＲＵＰＡＫＡ - 夢主ちゃんには幸せになってほすぃ… (2020年1月29日 22時) (レス) id: f3d3ee67c0 (このIDを非表示/違反報告)
sk - 好きです！次の更新待ってます！ (2020年1月28日 19時) (レス) id: f3d3ee67c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：流衣 | 作成日時：2020年1月4日 1時
