くろいはねのしょうたい ページ16
「鳥ポケモンだよ。鳥。よーく見てみろ」
『…、とり…さん？』
ほら。と優しくキバナさんに促され恐る恐る振り返ってみる
「まいど！」
『っ！！？』
言葉にならない悲鳴を上げて再び抱きつけば静かに肩が揺れる
近かった。すごく近かった。視界いっぱいに顔だった。
なに？さっきのあの人が悪魔？
「お、お嬢ちゃんごめんね」
人見知りでびっくりしただけだろうとキバナさんがその場を収める。人見知りじゃないよって言いたいけど口がぱくぱくするだけで声が出ない
「コイキングのマネか？」
「すいやせんお客さん…怖がらせまいと思ってやったんですが逆効果でしたね…」
申し訳なさそうに頭を下げた おじちゃん…には黒い羽根は生えていない。この人は悪魔じゃない？なら…
『…！！』
視線をずらすと後ろの方にAより何十倍もある大きな黒があった
ひゃ…。と小さな悲鳴が溢れたのをキバナさんは見逃さなかったようでAが落ち着くように背中をさすってくれた
「何もしねえよ」
見るのが恐くて手で顔を覆う
もう見てしまったけれど
「お嬢ちゃんコイツは見た目ほど怖くないよ」とおじちゃんの言葉に「そーそー」とキバナさんが同意する
本当に？
キバナさんが言ってた何だっけ。あーま…なんとか
悪魔じゃなくて鳥さんだって
一度見たからといって"じゃあ今度は普通に見てみよう"と思えるほどの勇気はないので薄く開いた指の隙間から覗いてみる
おずおずと視界の端にその足を捉え、下からゆっくり視線を上げていけば確かに大きいけど鳥さんみたい。に見える…かも
『黒いけど…鳥さん…？』
「鳥怖いか？」
ひくっと痙攣する喉を、ぐっと抑えてなんとか声を絞り出す
『鳥さんなら…恐く、ない…』
神様は黒い羽根は悪魔だけじゃないって教えてくれなかったよ
でも、この鳥さんは黒の羽根だけど鳥さんなんだ…
『え？え？』
ぼーっと鳥さんを見ていたら突然キバナさんが鳥さんの方へ歩き出す
抱っこされてるから必然的にAも鳥さんと近くなるわけで
目の前まで来ればその大きさが更に強調されて視界いっぱいの黒
見上げれば鳥さんの瞳の赤がとっても鋭く光っていた。まだ恐さを完全には拭えずにいるAにキバナさんが「アーマーガアはオマエに触って欲しそうだぞ」なんて言い出した
『……』
おじさんの方へ振り向けば心配そうにしながら頷く
触っても良いよってことかな？
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愛っち(プロフ) - 天使の主人公ちゃんとキバナさんとのやり取りがホッコリします！次の更新頑張ってください‼️ (2022年4月24日 16時) (
レス) id: d531dd11f3 (このIDを非表示/違反報告)
ＡＲＵＰＡＫＡ - 夢主ちゃんには幸せになってほすぃ… (2020年1月29日 22時) (レス) id: f3d3ee67c0 (このIDを非表示/違反報告)
sk - 好きです！次の更新待ってます！ (2020年1月28日 19時) (レス) id: f3d3ee67c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：流衣 | 作成日時：2020年1月4日 1時
