くろはあくまのはねのいろ ページ15
◇◆◇◆◇◆◇
黒はこわいよ…
だって黒は全部隠しちゃうから
みんな消えて
ひとりぼっちになっちゃうから
それに黒は悪魔の羽根の色だって神様が言ってたもん
悪魔は天使の事キライだから大切な物持っていっちゃうんだって
ママとの思い出も持って行っちゃうの…？
◇◆◇◆◇◆◇
翼を打つ音が大きい。目を瞑って耐えていても段々と近づいて来ているのが分かる
ぎゅうっと力一杯しがみついて離れないでいると、キバナさんはくすりと笑って「そんなビビんなくて大丈夫だ。怖くねえから」とAを抱き上げた
『ふぁっ』
抱っこ…普段なら喜ぶところだけど今抱っこは…
『こわいよ！！』
がばっと思いっきりキバナさんの首に抱きつけば、耳元でうぐっと呻いた声がした。苦しくしてごめんなさいだけど今はそれどころじゃないの…っ
『キバナさん危ないよ逃げてっ』
黒はきっと全部飲み込んじゃう
「危ない？」
『だっ、だって黒い羽根は悪魔なんだよ！』
だから逃げなきゃ…！必死に訴えるAとは正反対にキバナさんさんは「悪魔ぁ？」と素っ頓狂な声を上げる
こくこくと首を縦に振る中、耳元でくつくつと笑う声がした
『なんで…』
どうして笑うの？と聞こうとした時だった
背後から影が射し、バサァっと一際大きな羽ばたきに
辺り一帯巻き起こる風。ズシンと重厚な音と共に地面が揺れた
あまりに予想外で大きな音にびくっと身体が跳ねる
今、背後に居るのだ
悪魔が…
もうダメだ…っ
音だけでこんなに恐いんだもん。姿を見ちゃったらどうなるんだろう…
いつ、取られるんだろう
目が合ったら？それとももう取られちゃったの…？
ーガチャッ
硬い無機質な音に驚き反射的に抱きつく力が強まる。何？なんの音？
不安と恐怖は際限なく膨れ上がり、ぐぐぐっと更に首を絞め上げる
『ううぅっ』
「おお、オマエ絞め技…」
ギブギブと柔らかい声でAの背中をとんとん叩く
「アイツはアーマーガアだ。悪魔じゃねえよ」
『あーま？…でも黒いよ？』
なのに悪魔じゃ…ないの？
黒い羽根は悪魔の証なのに
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 91人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ポケットモンスター」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
愛っち(プロフ) - 天使の主人公ちゃんとキバナさんとのやり取りがホッコリします！次の更新頑張ってください‼️ (2022年4月24日 16時) (
レス) id: d531dd11f3 (このIDを非表示/違反報告)
ＡＲＵＰＡＫＡ - 夢主ちゃんには幸せになってほすぃ… (2020年1月29日 22時) (レス) id: f3d3ee67c0 (このIDを非表示/違反報告)
sk - 好きです！次の更新待ってます！ (2020年1月28日 19時) (レス) id: f3d3ee67c0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：流衣 | 作成日時：2020年1月4日 1時
