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日和くんと水入らずで話せた事で、心が楽になった。
オータムライブまで、もう日がない。
準備はさせてもらえないし、蚊帳の外にいる気持ちだけど、せめてステージは見ておこうと思い会場に足を運んだ。
(へぇ……こんな風になってるんだ)
「こちら側のステージに、何か御用ですか？」
声を掛けられて振り向くと、紺色の髪の毛に泣きぼくろが特徴的な、夢ノ咲の生徒が立っていた。
……泣きぼくろ男子、良いね。いや違う。そうじゃない。
「こちら側？」
「こちらは、Trickstarのステージでございます。お召しになっている制服を見る限り、貴方はAdam側の方では？」
一見、にこやかに見える彼だけど、私を観察するような、警戒するような目で見ている。
嫌だなぁ、その視線。
「ごめんなさい。今回準備には携わってないから、こっちがTrickstarのステージだとは分からなかっただけ」
「それはそれは、そうでしたか」
「私、EdenのプロデューサーをしているAです。怪しい者じゃないから安心して」
そう言って、サッと名刺を取り出すと彼に渡す。
それを見た彼は、「あぁ。貴方でしたか」と私を知っている口振りだった。
「知っているの、私の事」
「えぇ。明星さまから、サマーライブの際にお聞きしました。それに、わたくし姫宮家に仕える者でして、幼い頃の貴方の演奏を聞かせて頂いた事がございます」
「申し遅れました。わたくし、伏見弓弦と申します」と、胸に片手を置き、上品な素振りでお辞儀をしてきた。
……聞いた事あるぞ、姫宮家。日和くんが何か色々言ってたけど忘れたわ。
「坊ちゃまも、是非貴方の演奏をもう一度聴きたいと仰っておりました」
「そうなのね。でも、私は”そっちの業界”からは引退した身だから……期待に添えられず申し訳ありません、と伝えておいて」
失礼するね、と彼の前を逃げるように去る。
……”あの業界”に再び足を踏み入れるなんて、死んでもごめんだ。
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リア(プロフ) - 最高に面白いです！日和が可愛すぎる！！！更新楽しみに待っています(^^) (2020年1月24日 17時) (
レス) id: f94faaa2fc (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 凄く私好きな話だと思います！滅茶苦茶好きになりました！！更新待ってます。頑張ってください！！ (2020年1月23日 6時) (レス) id: 1d868b34d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水神友花 | 作成日時：2020年1月19日 12時
