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気を利かせた七種くんが打ち合わせへと何とか空気を持っていき、ひとまず今日の打ち合わせは終了した。
けれど、打ち合わせが終わった後も、例の彼はしつこく私に連絡先を聞いてきて、上手く撒くのに必死だった。
帰りのリムジンの中で、七種くんに打ち合わせに集中出来ていなかったことを謝ると、彼は「Aさんは何も悪くありません」と何度もそう言ってくれた。
打ち合わせの内容をEdenの皆に伝えるため、事務所に直行するリムジン。
その道中、七種くんには「私の事は言わないでほしい」とお願いをしておいた。
私の事よりも、仕事に集中してもらいたいと思ったからだ。
「皆さん、ただいま戻りました！」
挨拶と共に敬礼をする七種くんに続いて、Edenの皆が待っている部屋に入る。
「ぼくを待たせるなんて良いご身分だね！」と優雅に紅茶を飲みながら煽ってくる日和くん。
様になっているのが腹立ったため、資料の束で彼の頭を引っ叩いたついでに、資料を配る。
日和くん、漣くん、そして最後に乱くん。
「はい、乱くん」
互いの指先が触れるも、よくある事だと気にすることなく、彼の前から離れようとした。
その時、「……Aちゃん」と突然名前を呼ばれる。
資料に不備があったのかもと思った私は、「何かあった？」と乱くんと向き合う。
彼は言った。
「……大丈夫？」
心配そうな声と表情で。
「何が？」と返すと、彼はゆっくりと私の手をとり、両手で私の手を優しく包み込んで、言った。
「……何かあったの？手が冷たいし、震えてるよ」
彼の温もりと、気付いてくれたことへの何とも言えない安心感が一気に襲ってき、私は膝から崩れ落ちる。
ガクンッ、と糸の切れた操り人形のように崩れ落ちた私を、乱くんは床に膝が着く前に支えてくれた。
「ごめんね乱くん……」
「……ううん。気にしないで」
乱くんに、もたれ掛かるようになってしまった。というより、抱きしめられているような感じになってしまっている。
……ファンに見られたら殺されるよね。
「Aちゃん、大丈夫！？」
「立てますか？ゆっくりでいいので、一度ソファに座りましょう」
「自分、今新しい紅茶を淹れるので、それを飲んで落ち着きましょうか」
結局私は、皆に心配を掛けてしまった。
「ごめんね」と謝ると、日和くんは何も言わず私の頭を優しく撫でた。
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リア(プロフ) - 最高に面白いです！日和が可愛すぎる！！！更新楽しみに待っています(^^) (2020年1月24日 17時) (
レス) id: f94faaa2fc (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 凄く私好きな話だと思います！滅茶苦茶好きになりました！！更新待ってます。頑張ってください！！ (2020年1月23日 6時) (レス) id: 1d868b34d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水神友花 | 作成日時：2020年1月19日 12時
