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「あなたが契約条件を決めてください」
そう言って彼は、B5サイズの白紙と黒のボールペンを私に差し出した。
突然の提案に、少しばかり頭が追いつかなかったが、彼は……いや彼らはそこまでしてでも私をプロデューサーにしたいらしい。
私は、ゆっくりとボールペンを手に取ると、サラサラと自分が望む条件を全て紙に起こす。
所々手の摩擦で擦れてしまったところがあり、少し申し訳なくなったが、大きな文字でデカデカと書いたそれを七種くんに渡した。
「行き過ぎたことは書いてないと思うよ」
「ありがとうございます。拝見させていただきます」
私の条件は、こうだった。
『Eden”だけ”ではなく、Eden”中心”に作曲もとい衣装デザインの発案をする』
『自分の仕事が入っている場合は、第1にそちらを優先させてもらう』
『コズプロとの契約は来年3月まで、Edenのプロデュースも同様』
『自分にとってあまりにも不利な事、行き過ぎたことがあった場合は即契約解除』
「上から目線になってしまったかもしれないけど、それが私の条件。変な事とか、そちら側に無理があるような事は書いてないと思うけど、どうかな？」
「Aちゃん、結局相手の事を考えちゃってるね！……あ痛っ！今日初めて話したのに、暴力なんて悪い日和！」
暴力って……ただ優しくつねっただけなんだけど。優しく。
でもまぁ、彼が嬉しそうだし大目に見てあげよう。
「分かりました。Aさんの条件、全てお飲み致しましょう！」
「ありがとう七種くん」
「ではでは早速、この契約書をお読み頂き、こちらにサインと拇印の方をお願い致します！」
七種くんは、大きなバッグから契約書と朱のインクを取り出すと、バシィンッと音がしそうなくらいの勢いで卓上にそれらを置く。
私は、契約書に何か不正やこちらが不利になるような事が書かれていないか、電気に透かしてまで読んだ後、サインと拇印をする。
「はい、ありがとうございます！これで、Aさんは我がCOSMIC PRODUCTIONの一員であり、Edenのプロデューサーとなりました！！」
「改めてこれからよろしくお願いします、A先輩」
「電気に契約書透かしてたのは面白かったけど、嬉しいね凪砂くん！」
「……うん。嬉しい」
色々あったけれど、こうして私の新たな生活の幕開けとなった。
あ、調子に乗ってる日和くんにはきちんと制裁を加えましたね。はい。
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リア(プロフ) - 最高に面白いです！日和が可愛すぎる！！！更新楽しみに待っています(^^) (2020年1月24日 17時) (
レス) id: f94faaa2fc (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 凄く私好きな話だと思います！滅茶苦茶好きになりました！！更新待ってます。頑張ってください！！ (2020年1月23日 6時) (レス) id: 1d868b34d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水神友花 | 作成日時：2020年1月19日 12時
