まっすぐ君だけに２ (ページ7)

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目黒side ページ7

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駅のホームに向かうと、タイミングよく来た電車

お昼前ということもあって電車は空いてて、人の少ない車両を選んで二人並んで座る

｢寝る？着いたら起こすけど｣

ラ｢んーん、いい｣

肩に乗せられた頭を撫でてやると、泣いたあとならではのじんわりあたたかい体温

｢水飲む？｣

頷いたのを見て、キャップを開けてやって手渡す

ラ｢ありがとう｣

一緒にいるときはいつも話す口が止まらないのに今日は静かなラウール

ペットボトルのキャップを閉じてカバンにしまうと、またもたれかかってきた

｢あ、そうだ。口あいて？｣

ラ｢ん？なーに？｣

小さく開かれた口にさっき買ったチョコレートを入れてやる

甘いものってこういう時に食べるとちょっと幸せになるかなって...

でも、チョコレートを口に入れられたラウールは怪訝な表情

あれ、チョコ苦手だっけ...？

ラ｢めめ、箱見せて？｣

｢ん、美味しくなかった？｣

好きな味じゃなかったのかと軽くショックをうけると、くすくすと笑い声が聞こえる

ラ｢ふふ、めめこれカカオ70%って書いてあるよ？笑｣

｢え？｣

ラ｢苦いから食べてみて？｣

そう言いながらチョコレートを口に入れられて、舐めると確かに苦い

｢...ごめん｣

ラ｢いいよ、ありがとう笑｣

ビターチョコレートよりもビターな味に俺も思わず笑ってしまう

格好がつかなくて、恥ずかしいけどラウールが笑ってくれたからいっか

ラ｢ふぁ...｣

｢眠い？寝る？｣

ラ｢ん...｣

欠伸をして目を閉じると、また頬に涙がつたう

欠伸で出た涙でも、なんだか心が苦しくなって手で拭った

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