嫌いなアイツ【黄瀬涼太】 (ページ10)

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『…久しぶり』

「そうだな、元気にしていたか？」

『うん、まあ。緑間くんは相変わらずだね、今日のラッキーアイテムはカエルなんだ』

キセキの世代とあまり関わらなくなってしまった、というのは勿論黒子くんだって含むし緑間くんだって含む。

黒子くんは学校であまり姿を見かけないのもあったけれど。

緑間くんとこうして話すのも、いつぶりだっけ。

「それより驚いたな、黄瀬と如月はあまり仲が良くないのではないのか？」

『…キセキの世代が誰もいないところでマネージャーやりたかったの。でも大輝しか志望校知らなかったし。神奈川まで来てまさか被るなんて』

「…はぁ？」

その言葉になぜか黄瀬くんは驚いて、その癖その後は何も言わず私を睨むだけだった。

…本当にこいつ嫌い。

「…秀徳に来れば良かっただろう」

『私、あの時の思いはまだ変わってない』

緑間くんは、少し顔を歪めた。

『…未だにわかんないよ、みんなが。あんなのバスケじゃない。私は…緑間くんもよくわからない』

バツが悪そうに目を逸らした緑間くんは、後ろからやってきたチームメイトであろう人と一緒に帰って行った。

そこから私が黄瀬くんと会話することもなく、私はボトルを洗いに水道へ。黄瀬くんは体育館へ戻り。

大っ嫌いな黄瀬くんだけど、あのメンバーで楽しそうにバスケをする姿は別に嫌いじゃなかったのにな。

今じゃ全部が、よくわからない。

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