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黄瀬side
インハイ前に集まったキセキの世代。
一人一人が宣戦布告をして解散となった。
桃っちとAっちと青峰っちは一緒にどっか行って。…なんだかんだ言う割に、ちゃんと仲良いじゃないスか。
紫原っちも気だるそうにお菓子を食べながら体育館へ戻ろうとした。
俺も行こう、と顔を上げた時、赤司っちに呼び止められた。
「…お前、もう恋愛はしないと言っていなかったか?」
「急になんスか赤司っち!?」
「見たらわかる。Aのことが好きなんだろう」
「…別に、」
最初に嫌いになったのは俺。
強く当たったのも俺。
ウザイって言ったのも関わるなって言ったのも俺。
今が仲良いからって、過去の俺の行動が消えるわけじゃない。
それに、
「前に赤司っちに話した通りっスよ。俺はもう恋愛なんてしない。誰も傷つけたくないんスよ」
初恋を引きずって、しばらく好きな人なんてできなかった。
そんな俺が中学に入ってできた、好きな人。
「…言うタイミングがなかったんだ、ここで言うのを許してほしい。彼女、今洛山でマネージャーをしているよ」
「…は?」
「彼女が引っ越した先は京都。僕もマネージャーとして入ってくるまでは知らなかったさ」
「…別に、俺にはもう関係ないっスけどね」
俺の、初めて付き合った人で。
手繋いだり、抱きしめたり、キスしたり。
俺のほとんどの初めてをあげたソイツを、俺は傷つけたから。
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作者名:愛璃珠 | 作成日時:2021年8月7日 20時