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Aside







記憶が戻ればいい、なんて言われたけど。

正直今更思い出したところで、何があるのだろう。


トラックにあたる瞬間だって夢に見るだけで、私の体感としての記憶があるわけではない。





あんな苦しいこと思い出したら、トラウマになって離れないに決まってる。…だから正直、記憶は戻んないままでいいかなって思ってたりして。








『そういえばね、この前赤司くんから連絡が来てさ』


「へー、赤司っちが?」


『インハイの前、出場決まったキセキメンバーで集まろうって』








よくわからない複雑な気持ちを、話を逸らして無理やり考えないようにした。

口に出して思い出したが、もうすぐインターハイだ。



順調に勝ち進めば、桐皇と当たる海常高校。



黄瀬くんと仲が悪かった私だけど、これでも大輝の幼馴染だったから話は聞いてる。

大輝を憧れてバスケを始めた黄瀬くんだから、勝てるのか…少し、不安。








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作者名:愛璃珠 | 作成日時:2021年8月7日 20時

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