カノジョ持ち 〈赤〉

5 ページ6

お酒も程よく入ってお互いがそれなりにふわふわしてきた。







｢んー…はっ！ふふ｣






…お互いにではないようだった。






｢重岡さん、酔ってます？｣







｢んー？俺が酔うわけ、ないやろ！｣






わたしは全然なのに重岡はガッツリ酔っているようで。







｢絶対にここで寝ないでくださいね！｣







わかったーと緩く言ってるけど確実に分かってないこの人。







｢…Aちゃんはぁ好き人とか彼氏さんとかおるんー？｣







突然質問された内容は私にとって釘を刺すようなもので。








｢…いません。ていうかいりません。｣









｢えー！なんでやねん！いた方が、ぜったいに楽しいで｣








｢重岡さんは自慢の彼女がいるからいいじゃないですか｣








彼氏を作った方が楽しいという重岡さん。でもこの人にはいつも自慢してるほどの彼女がいるんだから、私の気持ちなんてわかんない。







｢…んー、彼女なぁ。やっぱりいた方がええでー。人生エンジョイやんか！｣







エンジョイって笑







｢じゃあ私が彼氏欲しくなるように彼女がいるといい利点、教えてくださいよ。｣








あれ、なんでこんなこと言ってるんだろう。






人のこういう自慢聞くの、大嫌いなのに。

6→←作者から

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す