カノジョ持ち 〈赤〉

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「うわっ！」






突然現れた重岡さんにびっくりした反動で立ち上がると椅子が倒れてしまった。






「ずいぶんなオーバーリアクションやな〜笑」






「し、しょうがないじゃないですか！驚かさないでください」






ごめんごめん〜なんて軽く言って私に近づいてくる。





そして隣の席にどかっと座って私の方に椅子を向けた。








「...帰らないんですか？」







「え？」









「...え？」






「帰らんわ！帰るんやったらこここーへんやん」







人の発言を可笑しそうにゲラゲラと笑ってるけどわたしは普通のこと言っただけなのに。







「あ、せや！これあげるわ」





そう言って袋からゴソゴソと取り出したものはわたしの大好きなお菓子。






「これ好きなんやろ？」







「はい！めっちゃ好きなんです」






それはよかったとお菓子をわたしに渡してくれた。





「でも何でこれ好きなの知ってたんですか？」







「え、あ、いや〜。か、風の噂？ってやつやん！」






わたしのお菓子情報なんて噂になんてなるんだろうか。






まあいいや、とお菓子を食べながら残りの仕事を終わらそうと頑張る私。






すると、隣で見ていた重岡さんがまた話し出したと思えば、






「これ終わったら飯行こ！」





なんて。







またご飯か〜なんて思うけど断る気はなくて。








最近は重岡さんとご飯を食べるのも悪くないな、なんて思い始めたから。

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