ライアー【歌い手】

2日目 ページ16

「はい！そのへん座っててー！」
あっという間に私は相川さん家に連れてかれ・・・・いや、連行された

『えっと、帰りたいんだけど・・・』

そんな私の言葉を無視して、相川さんは絆創膏やら、包帯やら、消毒液やら、まぁ、色々と抱えて戻ってきた

「痛そー」

そう言いながら手当をしていく

相川さんは、ふと、顔を上げると、
「どうして、こんなにやられたの？？Aちゃんが何かやったとは思えないし・・・・」

『なんでもない、転んだだけだから…』

と言ってる間に、もう手当は終わっていた

さすがにもう帰りたい

でもさすがに手当してもらったんだからお礼くらいは言っとかないと…

『ありがとうございました、こんな私に優しくしてくださって』


「え！？ちょっとまって…」
と言うとまだ痛む足をひきずって帰った
相川さんが何か言っていたけれど、聞こえない、聞かない

明日も学校だ





〜次の日〜

今日もいつもの道を歩いて、同じ校門をくぐって、昇降口へ歩いていく

朝のホームルームも、授業も、帰りのホームルームも、普通に終わってさよならまで平和だった

そう、「さよなら」までは

春「ちょっぉとぉいぃかなぁ？？」

はぁ、またこいつだ

『ごめんもう帰るから』

と言っても周りには昨日の女子達がいて、とても帰れそうにない
そう考えて何を言おうか考えていると


春「だから、来いって言ってんの」

と言い腕を引っ張られ、抵抗もむなしく、また同じ場所に連れてこられた



昨日の傷をピンポイントで狙ってくる




痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い


誰か………



でも、当たり前だが、誰も来ない









どのくらいの時間が、たっただろう？？

春「じゃあねAちゃん、バイバーイ！！”また明日”ね！」


春川さんはすっごい笑顔で手を振って、地面に倒れて痛がっている私に言った


「また明日」か

いつまで続くんだろうな、これ

2日目だけど、さすがにこれはこたえる



もういっそのこと、感情なんて消してしまった方が楽かもしれない



また相川さんに見つかったらさすがにバレるかな…

一旦距離をおこう

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