36日目 ページ38
好きだよ、真冬。
何も考えずに告げた告白。
不思議と恥ずかしさはない。
ま「っ、はぁ……A、それ反則っ///」
すぐに自分の顔を下に向けてしまったまふ。
ま「こんなんじゃ格好つかないじゃん」ボソッ
……刹那。
ふわっ。
「ぇ、」
気づくと頭には、朝まで被っていた毛布が被せられていた。
ま「ふふっ、今はこれで我慢してね」
「ま、ふ……何?………………ぇ、」
ま「A、好きです。
結婚を前提にお付き合いをしてください」
それと同時にコンパクトな箱から出されたのは小さな指輪。
一瞬何が起きたのか分からなかった。
「な、んで……けっこん」
やっと口に出せたのもたどたどしい言葉。
だけど……。
ま「Aとずっと一緒に居たいから」
ゆっくりと私が混乱しないようにまふは教えてくれる。
出会った時から既に一目惚れだったこと。
一緒に過ごすごとに好きがどんどん増していったこと。
けれど同時に未成年に手を出す自分への後ろめたさと罪悪感を抱いていたこと。
それでもやっぱり好きで好きでどうしようもできなかったこと。
まふはそれらをずっと苦しそうに眉をひそめながらそう言った。
ま「……未成年に手を出すべきことじゃないぐらい分かってる」
「っ、」
そうだ、所詮自分はやっぱり未成年で、
子どもで、
1人じゃ何も出来なくて、
大人のまふにいつまでも追いつけない。
「私、わた、し……っ、」
そんな息苦しさに言葉へ表すことが出来ず、自分の弱さに悔しさが増す。
ぎゅっと手に力を込めて震えていると、その上からまふが優しく手を重ねてきた。
ま「でもさ?やっぱり…やっぱり好きなんだ。
Aとずっと一緒に居たいって……
一緒に生きていきたいって
そう、思っちゃったんだ」
しょうがないよね、とでもいうような困った顔で笑う。
それにすらもぎゅっと胸が苦しくなって、糸が切れたかのようにボロボロと涙が零れ落ちる。
「まふ…まふっ、私、まふが好きです」
"まふが好きで好きでどうしようもないぐらい愛しくてたまらなくて胸が苦しい"
ま「っ、うん……僕もAのことが何よりも大切で大好きでこの上ないぐらい愛しい
何があっても守る……だから、」
すっ、と息を吸い込む音が聞こえる。
ま「僕と結婚……お付き合い、してください」
ポロリと一粒の涙が零れた。
「はい、喜んで」
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いるよ - 最高過ぎました… (2022年12月5日 19時) (レス) id: 7464634473 (このIDを非表示/違反報告)
千華(プロフ) - 未成年だから途中まで!また成人して覚えてたら見に来ます! (2021年5月25日 17時) (レス) id: ff1aa8f056 (このIDを非表示/違反報告)
しふぉ - このお話が好き過ぎてまた見に来てしまいました。 (2021年2月7日 2時) (レス) id: 19d2dfc8bd (このIDを非表示/違反報告)
雪 - 良かったです。また書いてくれると嬉しいです。 (2020年12月11日 12時) (レス) id: c11f1036fc (このIDを非表示/違反報告)
。。みかん - あの、後日談みたいな成長した主人公ちゃんと歌い手たちの話が欲しいと切実に思いました。もう、、あの、本当、、、好きです。(唐突な告白) (2020年11月29日 21時) (レス) id: 301c148c11 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:羽鳥 | 作成日時:2017年10月23日 3時