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33日目 ページ34

ピンポーン……。



ん、んん……?



誰……?



「ふ、ぁあ、そらりゅさ、誰か来た」



「んん……、まふまふじゃないの?」



もぞもぞと布団の中から動いて起き上がってくるそらるさん。



微かにそらるさんから聞こえた。



私が今一番会いたい人の名前。



まふ、まふ……まふまふ?



今、まふまふってそらるさんは言ったの?



「〜〜〜っ、まふだ!! まふだよ、そらるさん!」



眠たくて閉じかけていた瞼を必死にこすってベッドから飛び起きた。



そ「こら、そんなにこすったら目があかくなるでしょ」



すぐにそらるさんから"めっ"と言葉と共に片手を取られる。



「そらるさ、まふが来た!!」



「分かったから、ほら、ジャンバーそのまま着な」



"まだ朝早いから寒いし風邪ひくよ?"



興奮気味の私に何を言っても既に耳に入らないと思ったらしい。



パジャマの上からそのままジャンバーを着せられて、後ろから一緒に私に付いて来る。






そ「おまたせー」



「まふーっ!! まふ、まふ、まふっ!!」



玄関の扉を開けて待っていたのはやっぱりまふで、すぐに腕の中へと飛びついた。



ま「わっ! び、びっくりしたぁ」



"……ただいま、ちゃんといい子にしてた?"



「してた!お手伝いもいっぱいした!」



ま「ふふっ、そっか、いい子だね」



よしよしと優しく頭を撫でて、愛おしそうにまふは目を細めた。



久しぶりのこの感覚に心が満たされる。



そんな一部始終を見ていたそらるさんは、



そ「はいはい、もう分かったから」



"後は家でゆっくりやって"


ふぁっ、とまだ眠たそうに壁に寄りかかって気だるげにそう言ってきた。



ま「そらるさん、ありがとうございました」



そ「うん、その様子だとうまくいったみたいだね」



ま「はい、ちょっと時間はかかっちゃいましたけど」



えへへ、と笑うまふとそれに対して優しく目を細めるそらるさん。



そんな先程からの二人の話にはついていけず、



頭の上にはハテナマークを何個も浮かべる。



一体何の話をしているんだろう。



「……まふ?」



ま「あ、ごめんね?もう帰るよ」



"じゃ、そらるさんまた……。"



そ「ん。分かった」



"A、バイバイ"


そう言って、片手をひょいっとあげてはそのまま軽く手を横に振る。



「そらるさん、ばいばぁい」



そんなそらるさんにもお返しとして私も同じように手を横に振る。






やっと久しぶりのおうちだ。



4日ぶりのまふだ。



……隣にはちゃんとまふがいるんだ。

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いるよ - 最高過ぎました… (2022年12月5日 19時) (レス) id: 7464634473 (このIDを非表示/違反報告)
千華(プロフ) - 未成年だから途中まで!また成人して覚えてたら見に来ます! (2021年5月25日 17時) (レス) id: ff1aa8f056 (このIDを非表示/違反報告)
しふぉ - このお話が好き過ぎてまた見に来てしまいました。 (2021年2月7日 2時) (レス) id: 19d2dfc8bd (このIDを非表示/違反報告)
- 良かったです。また書いてくれると嬉しいです。 (2020年12月11日 12時) (レス) id: c11f1036fc (このIDを非表示/違反報告)
。。みかん - あの、後日談みたいな成長した主人公ちゃんと歌い手たちの話が欲しいと切実に思いました。もう、、あの、本当、、、好きです。(唐突な告白) (2020年11月29日 21時) (レス) id: 301c148c11 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:羽鳥 | 作成日時:2017年10月23日 3時

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